米国務長官、外交政策における人権の役割見直す委員会設置

[ワシントン 8日 ロイター] – ポンペオ米国務長官は8日、外交政策における人権問題の役割について見直す委員会を設置した。議員や人権活動家からは中絶や同性愛者の権利を制限する動きだとして批判の声が出ている。

ポンペオ長官は、同委員会の委員長にハーバード・ロー・スクールのメアリー・アン・グレンドン教授を指名した。

長官は、人権保護を目的に創設された国際機関はその任務から逸脱していると指摘。「人権の主張が拡散する中、一部の主張は別の主張との間で緊張状態に陥り、どの権利が尊重されるべきかについて疑問や対立を招いている」とし、「米国の外交政策における人権の役割を情報に基づき見直す適切な時期がきた」と語った。

人権擁護団体はこれまでにトランプ米政権が外交政策で人権問題を優先していないと批判してきた。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナル米国のジョアン・リン氏は、発表文書で「女性やLGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クィア)を標的にした嫌がらせ政策を強化する動きとみられる人権の政治問題化は恥ずべきことだ」と批判した。

また、米国自由人権協会の人権プログラム責任者は「トランプ政権は規則に従って行動できないため、規則を変えようとしている」と指摘した。

上院外交委員会の民主党有力議員、ボブ・メネンデス氏は、基本的な人権が誤解され、巧みに操られているため委員会が必要とのポンペオ長官の主張に異議を唱えた。

オバマ前政権で人権担当国務次官補を務めた民主党のトム・マリノフスキー氏も、委員会設置は「世界最悪の独裁者らに取り入り、彼らの行動を正当化することに熱心とみられる」政権の考えだと指摘した。

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