中国南部「ほぼ水没」、連日豪雨で河川決壊

中国の珠江湘江、長江流域では連日の豪雨により、約400本の河川で警戒水位を超えた。湘江では、堤防が決壊するなどの災害が起きている。被災者が投稿した動画には倒壊した建物や押し流された線路、水面に浮かぶ死体が映っている。

7月上旬以降、中国では江西、広西、広東、湖南など10以上の省で水害が発生している。政府機関は14日、国内の377の河川が警戒水位を超えたと発表した。全国で出された防災警報は合計1万5000回に上る。

ツイッターには各地の豪雨の様子を撮影した動画が投稿されている。湖南省で撮られた動画には、湘江両岸で水面が河川敷より5メートルも高くなり、付近の住民が決壊を防ぐため急いで砂嚢を積む様子が映し出されている。別の動画には洪水で死亡した人の遺体が流される様子も映っている。

 

湖南省衡山県では9日朝6時、曹家湖堤防が幅15メートルにわたって決壊し、樹木の高さにまで水があふれ、楊梓坪村など4つの村が水没し、134ヘクタールの土地が流された。

車や建物も水没し、数百戸の家屋が被害を受けたとされる。

7月8日より湖南省全域で雨が降り始め、降水量が最大だった株洲市では100ミリ近い雨が降った。9日からは湘江中流域以南の地域が連続して豪雨に見舞われ、省全体で868の町や村が被害にあった。そのうち369の町や村では堤防の決壊が起きた。

また株洲市の一部地域では鉄橋下の水位が警戒水位を超え、京広鉄道は運転を取りやめている。

湖南省の洪水干ばつ対策本部は11日、同省の被災者数は約280万人で、行方不明者は6人、死者は少なくとも11人、経済的損失は53億元を超えると発表した。

中国政府は被災地救援の指示を出したと発表するにとどまり、具体的な被災状況については公にしていない。

(大紀元日本ウェブ編集部)

 

関連記事
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]