北朝鮮の金委員長、新型潜水艦を視察 弾道ミサイル開発を示唆か
[ソウル 23日 ロイター] – 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は、新たに建造された大型潜水艦を視察し、潜水艦が備える戦術能力と兵器システムの重要性を強調した。北朝鮮国営の朝鮮中央通信社(KCNA)が23日伝えた。潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の開発継続を示唆している可能性がある。
潜水艦は金委員長の「特別な注意」の下で建造され、日本海で運用されるという。
潜水艦が搭載している兵器システムの種類や、視察がいつ行われたのかには言及していない。
KCNAによると、金委員長は「強力な潜水艦」の建造に大きな満足を示し、「東西を海に囲まれた国では、潜水艦の運用能力は国防の重要な要素だ」と指摘。
「(北朝鮮は)潜水艦を含む海軍兵器装備の開発に多大な努力を払うことで、国防能力を発展させ続けるべきだ」と述べた。
また、同行した国防や科学関係の当局者に、潜水艦利用に関するより戦略的な計画を達成するよう指示したという。
北朝鮮は潜水艦を多数保有するが、SLBM搭載可能と判明しているのは過去に発射実験に使った1隻のみ。
アナリストは新型潜水艦の大きさを踏まえると、ミサイル搭載を目指して設計されたようだだと指摘。
全米科学者連盟(FAS)上級研究員のアンキット・パンダ氏は「巨大な潜水艦であることは明白だ。2014年以降に存在が明らかになっている既存の潜水艦よりもはるかに大きい」と指摘。
「政治的なメッセージとしてわたしが重要と考えるのは、2018年2月の軍事パレード以降で初めて、金委員長が核兵器の搭載を明確に意図する軍事システムを視察したことだ」と述べた。
「金委員長が米政府に対北政策の変更を求めて設定した年末の期限を厳粛に受け止めるべきだと不吉に暗示しているようだ」とした。
北朝鮮は2016年にSLBMの試験発射に成功している。
米国拠点の北朝鮮分析サイト「38ノース」は昨年6月、東部新浦の造船所で北朝鮮が潜水艦の建造を継続しているようだと衛星写真を基に分析、SLBMが搭載可能な潜水艦の可能性があるとしていた。
*内容を追加しました。