ファーウェイ輸出許可巡り米企業の混乱続く、米中通商協議に影響も
[ワシントン 29日 ロイター] – トランプ米大統領が米企業による華為技術(ファーウェイ)<HWT.UL>への部品などの供給を許可すると発言してから1カ月が経過したが、政府はいまだに許可の詳細を示しておらず、今週再開する米中通商協議に影を落としそうだ。
中国の通信機器大手であるファーウェイは5月、米政府の禁輸措置対象リストに追加された。トランプ氏は6月末の米中首脳会談で通商協議の再開に合意するとともに、ファーウェイに対する制裁を緩和する方針を表明。中国は米国産農産物の購入拡大に合意した。
米半導体メーカーはファーウェイへの制裁緩和表明を歓迎。首脳会談後、政権の高官らは安全保障上の脅威がなく、競合他社が代替品を製造できるような「非戦略」品目に関するものなら輸出許可を個別的に出すと説明してきた。
ただ、商務省はこれまでのところ、約35社による50件前後の輸出許可申請に全く回答しておらず、産業界と中国側は不安感を抱いている。
元商務省当局者のウィリアム・ラインシュ氏は「現段階で大混乱が生じている」と指摘。個別的に承認する方針は「混乱を大きくする」と述べた。
ムニューシン財務長官とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は30日から中国の劉鶴副首相と協議を実施する。協議に詳しい関係者の多くはファーウェイと中国による米国産農産品の購入が主要議題になると予想している。
元USTR高官のウェンディ・カトラー氏(現アジア・ソサエティー政策研究所副所長)は「協議実施を公表することで、米側は『ファーウェイの話を先に進めるから中国は農産品で行動する必要がある』というメッセージを送るつもりだった」と指摘した。
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