Alexander Stein / Pixabay
Alexander Stein / Pixabay

自分の給料を庶民に分け与えた人

南北朝と隋朝時代に、公孫景茂という官吏がいました。

戦争中、景茂は自分の俸禄(給料)を出してお粥と薬を買ってきて、病気で倒れた兵士に食べさせました。これによって救われた人命は千人以上に上ります。

景茂は病気のため退職する時、彼より低い官吏らと庶民は、道路で大声で泣いて、彼を見送りました。

それから、景茂は道州の州長官を担当しました。彼は自分の俸禄を使って、子ウシやニワトリ、豚を買って来て、孤児や未亡人など自力で生活していけない人たちに配りました。彼はまた一人で馬に乗って、民間を巡視することが好きで、自ら庶民の家に入って生活の実情を視察します。家計をよく営む民家を見れば公の場で顕彰し(訳注:隠れた功績・善行などを世間に知らせ表彰する)、悪事を働く人を見れば、ひそかにかげでその人を叱って指導しますが、彼の行った悪事を公表せずに、改める機会を与えます。それで、庶民は仁義と礼儀を重んじ、互いに助け合うようになりました。農作をする時、村の男子は近所の田畑も手伝って耕すようになり、女性も布を織る時に互いに助け合います。自分のことだけ気にかけて他人のことを、全然顧みない現象がなくなりました。数百世帯もある大きな村落においても、村民は仲睦まじい家族のように、他人の事を自分の事のように気にかけます。

景茂が亡くなった日、各州から彼の葬儀に参加した庶民は数千人に及びました。葬儀に参加できない人たちは、彼の墓に向かって号泣しました。

(『北史第86巻 列伝第74 循吏』)

 (明慧ネットより転載)

関連記事
夜間の人工光とPM2.5による大気汚染が、子どもの甲状腺がんリスクを高めることが研究で判明。日本の都市環境も例外ではありません。
超加工食品を多く摂る人は、不眠リスクが53%も高まる?睡眠ホルモンを妨げる仕組みや栄養不足との関係、改善のために今日からできる食事の工夫を解説。
クッション性の高い靴は一見快適ですが、長時間履き続けることで足の感覚が鈍り、怪我や認知機能の低下リスクも。専門家が語る、靴選びの落とし穴と対策とは。
5月5日の「こどもの日」と中国の「端午節」は共通の歴史と五行のエネルギーに基づく行事です。自然の力を活かして、家族で健康と成長を祈る方法を学びましょう。
60万人以上のデータを分析した研究で、孤独を感じている人は認知症の発症リスクが31%高いと判明。孤独は脳に深刻な影響を及ぼします。