エポックタイムズは、AIおよびディープフェイクの専門家と一緒に、偽のコンテンツで発生する可能性のある問題、そしてこれに対応するための方策について話した。画面右は「ディープフェイク(Deepfakes)」技術を使って、プーチン露大統領の顔写真を改変した偽写真(ALEXANDRA ROBINSON/AFP/Getty Images)

中国発の顔交換アプリ「Zao」、プライバシー侵害の懸念で批判高まる

中国企業が開発したスマホ用顔交換アプリ「Zao」は8月30日、中国国内App Storeで公開されて以降、高い人気を得ている。一方で、ユーザーのプライバシーが侵害される可能性が高いと批判された。

ロイター通信2日付によると、ユーザーがスマホで自撮りした自分の写真を「Zao」アプリにアップロードすると、映画やドラマなどに登場する俳優の顔をユーザーの顔に置き換えることができる。ユーザーが物語の中の人物になりきり、または憧れのアイドルと共演しているようになれる。この動画をSNS上に投稿すれば人気者になれるため、「Zao」アプリは高い人気を博した。

同アプリは、人工知能(AI)技術を駆使し、写真や動画の顔だけではなく声も換えることができる。この技術はディープフェイク(Deepfakes)技術と呼ばれる。

アプリの利用規約には、「ユーザーは顔データに関する知的財産権を放棄すると同時に、Zaoがユーザーの顔写真を営利目的で使用することを許可する」との記載がある。これに気づいたユーザーから非難が殺到した。

「Zao」は9月1日、中国版ツイッター「微博」で声明を出した。同社は、指摘されたプライバシー上の問題について、今後「少し時間はかかるが、考えの至らなかった点を改善していく」とした。

中国国内メディアの5日付の報道によれば、「Zao」側は利用規約を修正し、「顔データを第三者に提供する際、事前にユーザーの同意を求める」との内容を加えた。

「Zao」は中国のモバイルSNSプラットフォーム大手、陌陌(MOMO)が開発した。同社は2014年、米ナスダック市場に上場を果たした。「Zao」のほか、出会い系アプリも手掛けている。

このほど「ディープフェイク」アプリは、笑いのネタを友人と共有したい世界各国の若者の間で流行っている。しかし、不純な動機を持つ人が同技術を悪用し、有名人らの偽動画を作成し、偽情報をネット上に流すことが懸念されている。

今年6月、フェイスブックが偽動画を放置したことで批判された。偽ビデオには、ナンシー・ペロシ米下院議長が、ひどく酒に酔って、ろれつが回らない状態でスピーチを行っている様子が映っていた。5月下旬、アメリカ進歩センターで講演を行った議長は、「酔っぱらっている」ように見えた。一部のメディアは、議長のイメージ低下を図るために偽動画が作成されたとの見方を示した。

(翻訳編集・張哲)

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