中国は国有企業の影響力抑える必要、欧州商工会議所が年次報告
[北京 24日 ロイター] – 欧州連合(EU)商工会議所は24日、中国に関する年次報告書で、巨大化する国有企業の影響力を抑える必要があると指摘し、さもなければ景気が低迷し、貿易相手国との緊張が高まるとの見方を示した。
報告書は、一部の業界を独占し、資金調達が容易なうえ入札でも有利な条件にある中国の国有企業は、債務と資産が膨れ上がっていると指摘。より生産性の高い民間企業との間で資源の大きな配分ミスが生じているとの見方を示した。
国内の銀行はこれまで返済を巡るリスクが比較的低い国有企業への融資を優先してきた。規模が比較的小さい民間企業は、銀行融資の代わりに影の銀行(シャドーバンキング)からの借り入れに頼ることが多かったが、規制強化により資金調達が困難になっている。
中国は、資源配分において市場が明白な役割を果たすことを目指すとした2013年の約束を果たしていないと報告書は指摘。これにより、先進国並みの所得水準に達することができずに経済が停滞する「中所得国の罠」から抜け出すことが難しくなると説明した。
習近平国家主席は2017年の第19回共産党大会で国有企業を「より強く、より良く、より大きく」することを呼びかけている。
報告書は、中国政府の国有企業を優先する姿勢を海外勢は疑問視しており、現在の米中通商摩擦の激化につながっていると指摘した。
その上で、中国の海外投資に対する審査を強化し、中国の政府調達で欧州企業が直面する障壁を調査することで、中国政府に改革を促すようEUに要請した。
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