台風19号、関東で強い風雨 2人死亡
[東京 12日 ロイター] – 台風19号は12日午後9時過ぎ、強風を伴い、東京都などで雨足を強めている。気象庁は最大レベルの警戒を呼びかける大雨特別警報を1都11県に発表。突風などで2人が死亡、各地の河川で水位が上昇した。台風はこのあと関東北部を通り、13日未明には東北沖の太平洋に抜ける見通し。
気象庁によると、台風は午後7時前、強い雨と風を伴い伊豆半島に上陸した。国土交通省によると、埼玉県東松山市の都機川が氾濫。NHKによると、長野県上田市の千曲川も氾濫した。都内の多摩川や神田川を含め、各地の河川も氾濫危険水位に達している。国土交通省がホームページで提供する川の水位情報は、アクセスが集中して不具合が発生した。
気象庁は午後9時に会見し、「これまでに経験したことがないような大雨になっている。土砂災害警戒区域、浸水想定区域では何らかの災害がすでに発生している可能性がきわめて高い」とした。
消防庁が午後6時にまとめた集計によると、台風に関連した死者は1人。千葉県市原市で竜巻とみられる突風で車が横転し、50代の男性が死亡した。静岡県御殿場市で1人が行方不明のほか、各地で33人が重軽傷を負った。また、NHKは群馬県富岡市で裏山が崩れ、1人が死亡、2人が行方不明になっていると伝えている。
半壊や床下浸水など、住宅の被害は34棟。経済産業省によると、全国で約6万4000戸が停電している。
神奈川県は午後9時半、水位上昇に伴い、相模原市にある城山ダムで緊急放流を開始したと発表。国土交通省関東地方整備局によると、群馬県みどり市の草木ダム、栃木県日光市の川治ダムと川俣ダム、埼玉県神川町の下久保ダムも緊急放流を実施する可能性がある。下流地域では浸水への警戒が呼びかけられている。
気象庁は午後3時半、数十年に一度の大雨が予想されるとして、群馬県、埼玉県、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、静岡県に大雨特別警報を発表。その後に茨城県、栃木県、新潟県、福島県、宮城県に警報を拡大した、5つある警戒レベルの最も高い段階に相当する。
気象庁は1958年に神奈川県に上陸し、伊豆半島と関東地方で土砂災害と河川の氾濫が多発した狩野川台風に匹敵する大雨になる恐れがあるとして警戒を呼びかけている。
台風はこのあと北北東に進み、関東を通過する見込み。午後8時45分現在、中心の気圧は960ヘクトパスカル。中心付近の最大風速は秒速40メートル、瞬間最大風速は同55メートルに達する。
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