米国で反迫害パレードを行う法輪功学習者たち(Edward Dye/The Epoch Times)

グーグル、中国共産党寄りの検索結果を表示 「信教の自由」「法輪功」などの項目で=調査

中国の宗教信者からなる組織はこのほど、中国共産党政権はグーグル(Google)、ヤフー(Yahoo!)など検索エンジン大手を利用して、党の主張に合わせた「中国の宗教の自由」の定義を世界に宣伝していると警告した。

法輪大法情報センター(FDIC)の調査者はこのほど、英語圏の検索エンジンの検索結果を調べた。たとえば、ユーザーが「中国の宗教の自由」を検索すると、グーグルは「People also ask(類似の質問)」ボックスを表示して、ユーザーを誘導する。回答は、「1982年に制定した中国憲法では、市民にあらゆる宗教を信じる権利が提供される。中国市民は宗教の信仰の自由を享受している」と中国政府の公式見解が表示された。

たいてい、検索エンジンが最も信頼できる回答と見なすものが表示される。

中国は信教の自由が欠如していると、人権団体から指摘されている。人権組織フリーダムハウス(Freedom House)による「世界自由度ランキング2019」のなかで、中国は項目「信仰・信条の自由」を16点満点中2点と極めて低かった。総合順位は100位中11位で、「共産党の統制が強く自由ではない国」と説明付けられている。

他のキーワードでも、中国当局寄りの結果が表出する。グーグルの検索では、中国共産党に弾圧されている気功団体「法輪功」について検索すると、中国政府のウェブサイトが表示され、法輪功を攻撃する内容となっている。

FDICの広報担当・張爾平氏はグーグルの検索結果で「最も信頼できる回答」が表示されることについて、疑問を呈した。「法輪功を迫害する中国共産党の説明が『最も信頼できる回答』なのか」張氏は数週間前に、グーグルに問い合わせたが、返事はまだないという。

同様の質問を中国語で検索した場合、結果は共産党政権の見解にさらに傾いた。FDICによると、このパターンはマイクロソフトの検索エンジン「ビング(Bing)」、大手ポータルサイト「ヤフー(Yahoo!)」、質問回答式の交流サイト「アスク(Ask)」などでも確認できる。

日本語グーグルとビング、ヤフーでは、こうした中国共産党政府の公式見解の表示件数は比較的少なかった。

米国の信教の自由大使サム・ブラウンバック氏は10月27日の「宗教の自由デー」に、引き続き中国当局による宗教の迫害に関心を示していくと述べた。

ブラウンバック氏は25日の記者資料のなかで、米中貿易交渉では公式に人権問題は取り上げられていないが、米国は強固にこの問題に声を上げ続けるとした。また、中国政府は人権問題を直視するよう希望するとした。「問題は新疆だけではない。地下教会やチベット僧、法輪功に関してもだ」と付け加えた。

(翻訳編集・佐渡道世)

関連記事
湖南省株洲市の湘江で、ウイルスサンプル収集用試験管が大量に発見され、住民たちは感染リスクに怯えています。当局は「未使用で損傷はなく、ウイルスは検出されなかった」と発表しましたが、専門家や市民の間で疑問の声が広がっています。試験管の正体や流出の経緯について調査が進む中、不安は収まりません。病院も研究所を信用できないのは間違いない。中国ではコロナが収束していないというのは、こういうことなのか?
米司法省は最近、IR事業をめぐり日本の政府関係者に賄賂を渡すよう指示して、中国企業のCEOを海外腐敗行為防止法違反の容疑で起訴した。
ニセモノ摘発も命がけ、道徳低下した中国社会。中国福建省の展示会で、偽商品の摘発を目的とするインフルエンサーが暴行を受ける事件が発生しました。「福建鉄鉄」のカメラマンが問題商品を通報したことがきっかけで、出品者らから集団暴行を受けたとされています。この事件は、中国SNSやメディアで大きな注目を集めており、現在、市場管理局と公安当局が調査を進めています。偽商品撲滅の活動が招いた事件の経緯とその背景に迫ります。
19日、中国江蘇省連雲港市にある国有企業「中国化学工程第十四建设有限公司」の正門前で、ある女性が滞納された給料の支払いを求めて会社管理者の足に抱きつき泣き叫ぶ姿が撮影されました。この動画はSNSを通じて拡散され、多くの人々に衝撃を与えています。女性の訴えに耳を貸さない企業の対応と、中国社会で頻発する同様の問題に、ネット上では悲しみと怒りの声が相次いでいます。「惨め過ぎる」労働者の姿。官製メディアが宣伝する「盛世(繁栄)」中国のリアル。経営者が人間なのか? 人間であれば、会社をつぶす決意をして、会社財産を売って、給料を支払うはずだが。
湖北省武漢市で、配達食注文に対するクレームが原因で、配達員がナイフを持って客の家に押し入ろうとする衝撃的な事件が発生した。監視カメラには、ドアを内側から押さえる家主と、外でナイフを振り上げながら脅す配達員の姿が記録されている。この事件をめぐり、SNSでは中国社会のストレスや労働環境への懸念が噴出。「極限状態にある人々の行動は予測不能」といった声も広がっている。 至るところに「火薬庫」の中国、言動を慎まないと、いつどこで殺されるかわからない。