武漢の隔離施設「毎日、数百人死亡」技師が匿名サイトで書き込み

新型コロナウイルス感染者の対応のために、中国当局が湖北省武漢に建設した隔離施設、火神山病院に務めているという医療従事者は匿名サイトで、院内では毎日、200~400人が軍部により運び出され、新しい患者が直ちに入室すると書き込んだ。

中国国内メディアによると、火神山病院は、中国軍が管轄し、軍医が対応する。院内警備は兵士が行い、情報統制が強いことから「強制収容所」と例えられている。

英字の匿名インターネット掲示板4chanに2月8日、ある匿名ユーザーは「火神山病院の実験室技師」と自己紹介し、「状況はあなたが知っている以上に悪い」「私たちも懸命に働いているが、ただ(患者数が)多すぎる」と英語で書き込んだ。

このユーザーは、自身の身元証明の一部として、制御室に似た出口のそばで、「4chan 2020-2-8」と書いたメモ用紙を撮影した。手には手袋をはめている。

新しく建設された、湖北省武漢市の火神山病院の内部の様子。開業前のメディア公開日に撮影(GettyImages)

ユーザーによると、病院では毎日、新たなエリアが使用を開始している。施設関係者が、外部とコンタクトを取ることは非常に危険な行為だという。同僚の目を盗み、遠心分離機のそばで書き込んでいるとした。

火神山病院のベッド数は1000床と公表されている。このユーザーによると、感染者のいた部屋は推計で毎日200~400部屋が空室になるという。また、遺体は軍のバンが運び出す。

ユーザーはまた、中国政府の公式発表を信じないで欲しいと訴えた。また、感染した軍の兵士や共産党員は、軍医が担当しているという。

武漢の火神山病院は、2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)流行時にわずか7日間で建設された北京の小湯山病院をモデルに、10日間あまりで建設し、2月2日に使用開始した。同様に突貫工事で建てられた雷神山病院(1600床)も6日に患者の受け入れを始めた。

武漢では既存施設を含めおよそ1万床が今回のウイルス流行に対応し、全国から医療従事者が派遣されているが、患者の急増に追い付いていない。

(陳俊村/翻訳編集・佐渡道世)

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