米大統領選、民主サンダース氏の支持率上昇 市場予想はトランプ氏再選

[ニューヨーク 28日 ロイター] – 11月の米大統領選に向けた候補者選びで14州の予備選・党員集会が集中する3月3日のスーパーチューズデーを前に、民主党候補サンダース上院議員の支持率が急上昇している。一方、ウォール街には共和党の現職トランプ氏の再選を見込む向きも多い。

投資家、エコノミスト、市場関係者を対象に実施され、2月に公表されたドイツ銀行の調査では、回答者の95%がトランプ大統領の再選の可能性が「相当ある」あるいは「若干ある」と答えた。

この結果は、より幅広い層を対象とした最近の一部の調査結果と異なる。2月19─25日に行われたロイター/イプソスの世論調査では、サンダース氏とトランプ氏が大統領選で対決した場合のサンダース氏の支持率がトランプ氏を7%ポイント上回った。

このように見通しが大きく異なることは、ウォール街の予想が外れ、民主党候補が大統領選で勝利する場合に、市場のボラティリティーを大きくする要因となり得る。とりわけ、製薬会社への批判を繰り返し、大手銀行の解体と民間保険の実質廃止を公約に掲げるサンダース氏が勝利する場合、市場への影響は大きい可能性がある。

フェデレーテッド・インベスターズ(ニューヨーク)の株式市場担当チーフストラテジスト、フィル・オーランド氏は「投資家として言えば、市場にとって最悪のシナリオはバーニー(・サンダース氏)かエリザベス・ウォーレン氏が大統領選で勝利することだ」とし、「それはわれわれの基本シナリオではないが、懸念ではある」と述べた。ウォーレン氏の公約もサンダース氏同様、ウォール街にとって望ましくないものだ。

サンダース氏がスーパーチューズデーで多数の代議員を獲得する場合、民主党の候補者選びで圧倒的優位に立つ可能性がある。

新型コロナウイルスの感染拡大による経済への影響が懸念される中、米株は続落している。

先のオーランド氏はサンダース氏が支持率を伸ばしていることも最近の株安の一因になったとみる。一部の投資家は市場の動揺継続あるいは景気減速でトランプ氏の支持率が低下する可能性を指摘する。

ただ、サンダース氏がスーパーチューズデーで圧勝した場合の市場全体への影響はさほど明確ではない。ドイツ銀の調査では、サンダース氏がトランプ氏との直接対決で勝利するとの回答はわずか13%だったのに対し、民主党候補のバイデン前副大統領がトランプ氏と対決して勝利するとの回答は22%、同じく民主党候補のブルームバーグ前ニューヨーク市長では45%だった。

一方、最近の最大の関心事は新型ウイルス問題だとし、選挙絡みのポートフォリオ調整にはまだ積極的でない投資家もいる。

関連記事
中国共産党(CCP)は、カンボジアのリアム海軍基地の拡張工事を正式に完了した。この拡張は、中国のジブチにある海外基地を彷彿させるものであり、南シナ海におけるCCPの軍事的影響力拡大への懸念を一層高めている。
米国のトランプ大統領は、世界の「相互関税」を90日間停止したが、強硬な中共に対しては次々と追加措置を講じており、中国の一部商品には最大245%の関税が課されている。
4月22日、ロイターが入手した文書によると、中国共産党の党首がベトナムを訪問した直後、ベトナム商工省はアメリカやその他の貿易パートナーに対し「違法な貨物転送」の詐欺行為を厳しく取り締まるよう指示を出し、アメリカによるベトナムへの高関税措置を回避しようとしている。
イギリスの財務大臣レイチェル・リーブス氏は、低価格輸入品に適用される関税免税制度を精査し、国内市場における公正な競争を守る意向を示した。
ベトナムが米国から最新F-16戦闘機を大量購入へ。中共の脅威に備えた動きで、米越関係最大の防衛取引となる見込み。