2020年2月6日、中国湖北省武漢市の「火眼」研究所で、検査技師が中共ウイルス(新型コロナウイルス)の検査を受ける人から採取したサンプルを調査している(STR/AFP via Getty Images)

<中共肺炎>湖北省、遺伝子解析企業に検体廃棄を要求 1月初め=中国メディア

中国メディア「財新網」は2月27日の調査報道で、武漢市当局は昨年末から、中共ウイルス(新型コロナウイルス)感染者とみられる患者の検体を破棄するよう、遺伝子解析企業に命じたと報じた。当時、少なくとも患者9人の検体が解析のため、複数の検査会社に送られたという。

報道によれば、昨年12月末から今年1月初めまで、武漢市の病院は広州市や北京市、上海市の遺伝子解析企業や研究機構に、感染の疑いのある患者から採ったウイルス検査サンプルを送った。財新網は、大半の企業が新しいコロナウイルスの可能性を指摘したにもかかわらず、検査結果は公表されなかったうえ、感染防止にも活かされなかったと批判した。

財新網は、昨年12月27日にはすでに、中共ウイルスの遺伝子検査結果が出ていたとした。そのサンプルは、同年12月15日、武漢市中心医院に入院した65歳の男性市民の「肺胞洗浄液」から採取したものだという。この男性は12月18日、同病院の救急集中治療科に搬送された後、22日、容体が悪化し、集中治療室(ICU)に移された。

同病院の呼吸器内科主任を務める趙蘇教授は、財新網に対して、同月24日、呼吸器内科副主任の医師が患者の肺胞洗浄液のサンプルを広州市微遠遺伝子科技有限公司(以下は広州微遠)に送り、NGS(次世代シーケンサー、Next Generation Sequencer)技術によるウイルスの遺伝子塩基配列解析を依頼した。

財新網によると、広州微遠の上層幹部は同月27、28日、武漢市中心医院と政府の疾病管理部門に、それぞれ電話で結果を報告し、同月29、30日武漢市に入り、病院側や市政府の幹部らに会って直接報告を行った。趙蘇教授は「12月27日の同社の電話で、新しいコロナウイルスの可能性が高いとの報告を受けた」と話した。

財新網は、12月27日に得られた最初のウイルス検査結果は「当時、全く重視されなかった」と指摘した。

また、12月16日に発症し、27日に武漢市中心医院で受診した41歳の男性患者の検体も、27日当日に北京博奥医学検験所有限公司に送られた。同社は12月30日、「SARSコロナウイルス」との検査結果を病院側に報告した。「この検査報告書が、同院眼科医の李文亮氏の目に留まった」という。李医師は当時SNS上で、SARSによる感染が発生したと注意を呼び掛けた。

中国紙「湖北日報」の報道では、武漢市金銀潭医院の張定宇院長は12月30日、同院で採取した患者7人の肺胞洗浄液のサンプルを、市内の中国科学院武漢ウイルス研究所に届け、分析を依頼した。同研究所が後に発表した「武漢ウイルス研究所が全面的に新型コロナウイルスによる肺炎の研究に取り組む」との公開書簡で、12月30日に受け取ったサンプルについて、年明けの1月2日に新型コロナウイルスと確定し、その遺伝子配列を1月11日に、インフルエンザウイルス遺伝子データベースGISAID(Global Initiative on Sharing All Influenza Data)に送った。

今年1月に入り、上海市公衆衛生臨床センターの張永振教授の研究チームは武漢市中心医院からサンプルを受け取った。1月5日早朝に、サンプルから新型SARSコロナウイルスを検出し、遺伝子配列を解読した。同センターは直ちに、上海市衛生当局に報告したという。

しかし、中国の衛生当局である国家衛生健康委員会は1月3日、ウイルス検査サンプルの取り扱いに関する指針を公表した。各病院や関係部門が、国に指定されたウイルス研究機構を除き、他の機構や個人にサンプルを提出してはいけないと定めた。財新網は、専門家の話として、中国科学院武漢ウイルス研究所は一時、ウイルス検査の中止とサンプルの廃棄を要求されたと報じた。

国内遺伝子解析企業の担当者は財新網の取材に対して、「1月1日、武漢市衛生健康委員会の幹部は電話で、ウイルスのサンプルを廃棄し、遺伝子情報を公開してはいけないほか、研究論文も発表してはいけないと要求した。今後、新たにサンプルの検査も行ってはならないと言われた」と話した。

財新網の調査報道はすでに取り下げられた。

(翻訳編集・張哲)

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