イメージ画像、中国・北京のレストランで話し合う女性たち。(Greg Baker/AFP/Getty Images)
イメージ画像、中国・北京のレストランで話し合う女性たち。(Greg Baker/AFP/Getty Images)

米弁護士ら、武漢ウイルス研究所などを提訴 損害賠償20兆ドル

米国弁護士らは、中国湖北省武漢発の肺炎ウイルスの流行の責任を追及するため、中国政府、武漢ウイルス研究所、同所長に対して少なくとも20兆ドルの損害賠償を求める集団訴訟をテキサス州の連邦裁判所に提出した。

原告は、テキサス州で写真撮影を行う企業バズ・フォト。そして、保守系で元司法省検事ラリー・クレイマン弁護士、同氏の運営するグループ「フリーダム・ウォッチ(Freedom Watch)」。クレイマン氏は、影響力ある保守運動団体ジャジカル・ウォッチ(Judgecal Watch)創設者。

3月17日付の起訴状によると、バズ・フォトは肺炎ウイルスの流行により、経営危機に陥ったとして、損害賠償を求めている。

フリーダム・ウォッチのクレイマン氏は、中国政府は違法に生物兵器を備蓄しており、武漢ウイルス研究所が市内へのウイルス漏えい防止を怠り、さらには米国への感染拡大につながったと訴えている。

同氏はさらに、これらの行為は人口密集地に拡散させた大量破壊兵器に等しく、反社会的であり、米国法の国際テロに相当すると指摘する。また、こうした「冷酷で無謀な無関心と悪意のある行為」のために、中国政府に対して少なくとも20兆ドルの損害賠償を請求している。

「米国の納税者が中国政府によって引き起こされた途方もない被害の代償を払わなければならないとの理由はない」「中国人は善良な国民だが、彼らの政府はそうではない」とクレイマン氏は訴訟に関する声明に書いている。

いっぽう、中国武漢でも、米国政府に対する訴訟が提出された。

湖北省武漢市江安区の弁護士事務所所長は20日までに、武漢裁判所に、トランプ米大統領や米国疾病管理予防センター(CDC)所長、マーク・エスパー国防長官らを相手取る民事訴訟を届け出た。

湖北光良法律事務所・梁旭光氏は、4人に対して中共ウイルスの流行による経済的、精神的損害により20万元の賠償を求めている。

起訴状によると、2019年から2020年3月にかけて、米国で流行したインフルエンザは、未知の肺炎ウイルスであったことを隠ぺいして、公衆衛生情報を偽ったという。この情報の拠点は示されていない。同期間、米国ではインフルエンザにより3600万人が感染し、2万2000人が死亡した。また、トランプ大統領が使用する「中国ウイルス(Chinese Virus)」という言葉が原告に対する名誉毀損だとして、謝罪を求めている。

こうした「米国のインフルエンザはCOVID-19であった」とする中国共産党の宣伝は、中国外交部の趙立堅報道官も同様の内容を3月22日以降、ツイッターで連続して発信している。

トランプ米政権は、中国共産党が発生源をうやむやにして、米国インフルエンザはCOVID-19だったという説、米国軍の散布説など、多種のプロパガンダを発信していることに警鐘を鳴らしている。

(翻訳編集・佐渡道世)

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