中東地域、ウイルス封じ込めの機会失われつつある=WHO

[カイロ 2日 ロイター] – 世界保健機関(WHO)は2日、中東地域で新型コロナウイルスの感染者が1週間前からほぼ2倍の約6万人に達しているとし、対策強化が急務だと訴えた。

パキスタンやアフガニスタン、ソマリア、ジブチなどと中東諸国を含む地中海東岸地域を担当するWHO幹部は「医療体制が最もぜい弱な地域の一部で新規感染が報告されている」と述べ、「比較的医療体制がしっかりとした国でも、感染者や死者が急増している」と懸念を示した。

約5万人の感染が確認されているイランを除くと、中東の感染者は欧米やアジアと比較して低水準にとどまっている。ただ、報告されていない感染者が多数いる可能性があり、紛争によりぜい弱になっている政府機関や医療システムが対処できない恐れがある。

WHOの幹部は「感染者の急増は、市中感染が広がっていることを示している」とし、「(感染封じ込めの)機会はまだあるが、その機会は日々失われている」と警鐘を鳴らした。

中東地域の感染者は5万8168人と、3月26日の3万2442人から急増した。世界全体感染者は100万人を超えている。

紛争による打撃が最も深刻な国のひとつがイエメンで、世界銀行は2日、同国に2690万ドルの緊急支援を表明した

イエメンでは、新型コロナの感染はまだ報告されていないが、5年におよぶ内戦で医療体制は崩壊寸前で、感染が飛び火すれば深刻な状況になる。

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