【漢方の世界】鼻水―身体のシグナルを送る
今回のテーマは、鼻水。鼻水は「汚い」というイメージを持つ人も多いが、実は人体にとって非常に重要な働きをしている。例えば、汚染された空気や細菌・ウイルスに遭うと鼻水が分泌され、鼻からそれを追い出そうとする。さらに、鼻水は異物を排除する働きがあるほか、辛い食べ物を食べても鼻水が出る。辛さは人体にとって刺激物であるため、これが体内に入ってこないように体が反応しているのだ。
また、鼻水には身体の異常を伝えるというもう1つの重要な役割がある。鼻水は、いわば身体のシグナルだ。
その代表例は、おなじみの風邪。鼻水のタイプによって、風邪の症状がよく分かる。
ドロドロした鼻水:実の風邪
サラサラした鼻水:虚の風邪
黄色の鼻水:熱の風邪
白色の鼻水:寒の風邪
鼻水は汚いように見えても、実は我々の体を守り、大切なシグナルを送ってくれている。鼻水だけでなく、人体のあらゆる体液にはすべて重要な働きがある。
このほか、漢方では「鼻は肺の状態を表す」という。つまり、鼻水は肺の状態を表している。したがって、漢方薬で治療する時は、肺の寒熱実虚を改善する薬を処方している。
(翻訳・河合)
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