Pixabay
Pixabay

悪いことも、アイデア次第で良い事に変わる

何事も、考え方次第で悪いことがよい事に変化する時がある。

 ある大会社の社長が、事業を拡大するために、有能な人材を雇う事にした。募集広告に提示された給料が高額だったため、志望者が殺到した。

大勢の志望者を前に、採用担当の人事部長が言った。「馬は、見かけで選ぶよりも、実際に走らせてみなければ良いか悪いか分からない。真に有能なビジネスマンを得るために、君達にひとつのタスクを与えよう。お寺の僧侶に、木の櫛(くし)を売ってきなさい」

 多くの志望者は、首をかしげ、怒り出す者も出てきた。「坊さんが、櫛を必要とする分けがないだろう。これは、単なるジョークか」。志望者は、ひとり、またひとりと会場から退出した。最後に残ったのは、3人だけだった。

 人事部長は、「それでは、10日以内に、あなた方の営業報告を聞かせてもらおう」と述べた。

 10日後、人事部長は、志願者Aに聞いた。「君は、何個の櫛を売ったのかね?」Aは答えた。「一つです。」

 「どうやって売ったのかね?」

 Aは、彼がいかに骨を折って営業に励んだのかを説明した。彼は、寺へ行って僧侶たちを説得したがよい結果を得ることができず、あるお坊さんは、彼を罵った。彼がお寺から帰る道すがら、若い僧が頭を掻きながら歩いてくるのに出くわした。僧の頭は、強い日差しに当たって、赤くなって痒そうだった。彼は、持っていた櫛を差し出すと、僧は嬉しそうにそれを買ったという。

 人事部長は、志願者Bに聞いた。「君は、いくつ売ったのかね?」

 「10個です」Bは答えた。

 「どうやって売ったのかね?」

 Bは、有名な山の古いお寺へ行ったと述べた。その山はとても高く、風が強いためにお寺を訪れる人々は、皆髪が乱れていた。Bはすかさず、お寺の僧長に提案した。「このお寺には多くの参拝者が訪れていますが、皆さん、強風のために髪が乱れております。髪が乱れたまま仏を拝むのは、無礼なのではございませんか。お寺の祭壇に櫛をいくつか置いて、信者が髪を梳かせるようにしてはどうでしょう」。

 僧長は、Bの言葉に同意し、櫛を10個買った。

 人事部長は、Cに聞いた。「君は、いくつ櫛を売ってきたのか?」

 「1,000個です」とCは答えた。

 人事部長は驚いて、「どうやって?」と聞いた。

 Cは、いつも参拝者が列をなすような、有名なお寺へ行ったと述べた。彼は、そこの僧長に提案した。「ここに来る参拝者の方々は、とても敬虔で、熱心です。その信心深さに対する恵みとして、お寺で櫛をひとりひとりに配ったらどうでしょう。あなたは、字が上手ですから、“善行は徳を積む”と一言、彫ってみるのもいいでしょう。そうすれば、人々に良い行いをするよう、促すこともできますよ。」

 僧長はそのアイデアに賛成し、1,000個の櫛を買った。お寺を訪れた参拝者はその櫛をとても気に入り、それは口コミで広まった。更に多くの参拝者が訪れた。

 私たちは時々、これを成し遂げるのは無理だとか、とても想像がつかないなどと、決め付けてしまうことがないだろうか。多くの人は困難な状況にたじろぎ、やり遂げようとする勇気を持つ人は少ないだろう。これら3人の営業マンたちは、困難な状況でも機転を利かし、考えを変えただけで勝利を得ることができたのだ。

 つまり、自分の考えをもっとオープンにし、固定させないことだ。絶対にできないとネガティブに考えず、思考パターンを変えてみると、悪かったことが突然良い事に変わったりするものだ。

(正見ネットより)

(翻訳・田中)

関連記事
軽い散歩や家事でも脳の処理速度は向上する――中年層を対象にした最新研究が、日常の短い運動だけで実年齢より若い認知機能を保てる可能性を示しました。思考を活性化させるヒントを紹介します。
旅行前に空港で食事をする際は要注意。食品安全の専門家は、既成サンドイッチ、サラダ、寿司、生魚、炭酸飲料機の使用を避けるよう警告しています。安全に旅を楽しむためのポイントを紹介します。
春の風熱から体を守る食養生メニューをご紹介。風を追い出し、肝・肺・脾のバランスを整える食材で、体を潤し、食欲を促進します。風熱による不調を和らげる春にぴったりのレシピです。
春の終わりに最適な薬膳レシピ!湿気や風に負けない体作りをサポートする牛肉、大根、パクチーを使った料理で、脾と肺のバランスを整え、食欲や元気を取り戻しましょう。
卵の茹で汁にはカルシウムやマグネシウムが豊富で、掃除や髪のケア、植物の栄養にも役立ちます。普段捨ててしまうその茹で汁を、賢く活用する方法をご紹介します。