仙人が弟子を探す
あわただしい生活を送る現代人。生活は昔より格段に便利になったのに、時間のスピードは更に増している気がします。私たちを忙しくさせているものの正体は何でしょうか。物欲、快楽、貪欲・・・。これらの心をなくした時、初めて真の自分自身に戻れるのかもしれません。古代の仙人も、欲の少ない人物を探すのに苦労しています。
八仙人の中のひとり、呂洞賓(りょ・どうひん)が修煉を成就し、不老不死の仙人になった時のこと。彼は、貪欲な心のない人間を探し出し、仙術を伝授しようと思った。そこで、彼は老人に化け、湯圓(白玉団子)の売り子になり、「一銭で湯圓ひとつ、二銭で湯圓食べ放題」と書いた看板を置いた。
まもなく大勢の人々が彼の店にやってきたが、誰も一銭だけ払う者がいない。客は皆2銭払い、たらふく食べて去って行く。老人は辛抱強く、一銭だけ払う者を待ち続けた。
日が暮れたころ、ある一人の青年が店にやってきた。彼は一銭だけ払い、湯圓をひとつ口に入れると、すぐに去って行った。老人は嬉しくなって、青年に尋ねた。「なぜ、お前さんは二銭払って、たくさん食べないのかね?」青年は残念そうに、「僕は今、一銭しか手持ちがないのです」と答えた。
老人は、ため息をつくと、元の姿に戻り、空に舞い上がった。貪欲な心のない人物を探すのは難しい。呂洞賓はその後、弟子をとることはなかったという。
(翻訳編集・郭丹丹)
関連記事
内なる不満を見つめ、愛を与える方法を通じて、心の癒しと新たな可能性を見出すヒントをご紹介します。
最新研究が脳損傷患者の意識の可能性を示し、医療や家族の対応に新たな光を当てます。
GoogleのAI「Gemini」が大学院生に不適切な発言をし、AI技術のリスクが改めて問題視された。企業の責任が問われる中、AIの安全性や倫理が注目されている。類似の事例も増え、技術の普及とリスクのバランスが課題となっている
健康な心血管を保つための食事、指圧、運動の実践方法を解説。心臓病予防のヒントが満載です!
専門医が語る乳がんリスクの主な要因と予防のポイントを解説。生活習慣の見直しで健康を守りましょう。