【紀元曙光】2020年5月10日

今日は大相撲夏場所の初日、のはずだった。

▼相撲ばかりではない。プロ野球も、サッカーも、学生のスポーツも、全ての競技が凍りついている。春のセンバツは涙を飲んで中止。夏の高校野球がどうなるか。大会実施の可否は検討中らしいが、地方予選はおろか、まだ多くが休校しているのだ。

▼青春をかけて猛練習に打ち込んできた選手にとって、その悔しさは耐え難いものだろう。ただ時間はかかっても構わないが、そうなった現実から得られる人生の意味を、若い皆さんに考えてほしい気もしている。

▼昨日放送のNHKドキュメンタリー『振り向かずに前へ 池江璃花子19歳』は良かった。まだ白血病の療養中ながら、久しぶりにプールに入って嬉しそうな池江さんの様子に、テレビを見ていた人たちも嬉しかったのではないか。

▼昨年2月の突然の病気発覚ばかりか、まさか今年、東京オリンピックそのものが延期になるとは、彼女自身、想像もつかなかっただろう。死にたいほど苦しい治療の一時期もあったというが、今は若竹のような、しなやかな強さで全てを受け止めて、まさに振り向かずに前へ、一歩ずつ進もうとしている。

▼そんな若きアスリートに、頑張れだの、期待してるよだのと、気安い言葉はかけるまい。語弊を恐れずに言うならば、日本中がウイルス禍からの再起を図っている今だからこそ、普通の人もアスリートに近い感覚で、自分に向けての「頑張れ」が言える。嘘だと思う必要はない。相撲の熱戦を思い出して、自分の体に「力士のような怪力が湧く」と錯覚することは、存外、無意味ではないのだ。

関連記事
健康的とされる甘味料「エリスリトール」が、実は血管や脳に悪影響を及ぼすかもしれないという研究結果が発表されました。
関節炎、がん、認知症、うつ…。「治らない」とされてきた慢性疾患が、生活習慣の改善で“逆転”した症例が続々報告されています。諦めずに、希望の声を信じて。
玉ねぎは冷蔵庫に入れると逆に傷みやすい?風味を損なわず長持ちさせるには「温度・湿度・包装」が鍵。知らないと損する保存術をご紹介します。
目の疲れや体の不調に効く「行間」のツボをご紹介。高血圧やストレスを和らげ、肌の輝きも取り戻せるセルフケア法を今すぐ試して、心身のバランスを整えましょう!
唐の時代、雪に包まれた上苑で女帝・武則天の心は曇り、冷えた空気がその憂いを深めていました。彼女はその心情を詩に込め、明朝に百花を咲かせるよう命じるのでした。