政府、緊急事態宣言を全面解除 首相「1カ月半でほぼ収束」

[東京 25日 ロイター] – 安倍晋三首相は25日夜、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために発出していた緊急事態宣言を全面的に解除すると表明した。4月16日に対象を全都道府県に拡大して1カ月半での解除となる。

政府は、午前に行われた新型インフルエンザ等対策有識者会議基本的対処方針等諮問委員会(諮問委員会)に、全都道府県の緊急事態宣言解除を諮問、了承が得られた。東京都、神奈川県、北海道については引き続き調査・分析を行うよう諮問委から指示があったという。

 

<ウイルスはゼロではない、2度目の宣言も>

 

安倍首相は夕方の会見で、今回の感染拡大について「1カ月半でほぼ収束できた」と強調。「ここから新たな日常を作り上げる」との考えを示した。一方で、ウイルスがゼロになったわけではなく、最悪の場合、2度目の緊急事態宣言を発出する可能性はあるとした。

西村康稔経済再生担当相は午前の会見で、全面解除の判断について「(第2波があっても)クラスター対策で抑えられる範囲に至った。適切な判断だ」と国会で説明した。また「当然第2波はある」と述べ、宣言解除後に約3週間ごとに地域の感染状況などを評価し、外出自粛やイベント開催制限要請などを段階的に解除していく考えを示した。

 

<経済対策、1次補正と合わせて200兆円超>

 

外出自粛などの影響を受けた事業者への支援や、落ち込んだ経済に対応するため、政府は27日にも第2次補正予算を決定する。安倍首相は1次補正と合わせた事業規模は200兆円を超えると強調。130兆円を超す企業の資金繰り支援を行う考えも併せて示した。

 

政府の緊急事態宣言解除を受け、東京都の小池百合子知事は、26日午前0時から休業要請の緩和を開始すると表明した。

 

政府は4月7日に7都府県を対象に緊急事態宣言を発出。4月16日には全47都道府県に対象を拡大した。5月4日に宣言の期限を5月6日から31日まで延長したが、5月14日に39県、21日に関西の3府県の宣言を解除していた。

*写真を差し替えて再送します。

 

(石田仁志、浜田寛子 編集:田中志保)

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