中国国家疾病予防管理センターの高福主任(大紀元資料室)
中国国家疾病予防管理センターの高福主任(大紀元資料室)

<中共ウイルス>中国専門家「発生源は武漢の市場ではない」 1月の発言を反故

中国疾病予防管理センターのトップ、高福主任はこのほど、メディアの取材に対して、武漢市華南海鮮市場は中共ウイルス(新型コロナウイルス)の発生源ではないと発言した。しかし、4カ月前の記者会見で、高主任は、同市場で販売されている野生動物から中共ウイルスを見つけたと明言した。中国人ネットユーザーは、1月の発言を覆した同氏を非難した。

高福氏は5月25日、官製メディア「鳳凰衛視(フェニックスTV)」のインタビューを受けた。この際、同氏は、1月上旬に国家の調査チームとともに武漢市に入り、華南海鮮市場で動物サンプルと下水道の廃水サンプルを集めたと明かした。動物サンプルからは中共ウイルスを検出できず、廃水からウイルスを発見したと述べた。

1月22日、同氏は国務院新聞弁公室が開いた記者会見で、「新型コロナウイルスの発生源は、武漢市の海鮮市場で違法に取引されている野生動物だ」と話した。

1月に中共ウイルスの発生源は武漢市の海鮮市場であると述べた高福主任は5月25日、発生源は市場ではないと発言(スクリーンショット)

国営新華社通信は1月26日、「中国疾病予防管理センターは、新型コロナウイルスの発生源研究において一定の成果を得た。(同センターは)武漢市華南海鮮市場で収集した585件の環境サンプルの中、33件のサンプルから新型コロナウイルスの核酸を初めて検出した。同時に、陽性環境サンプルからウイルスを分離することに成功した。同ウイルスの感染源は華南海鮮市場で取引されている野生動物だと示された」と報じた。

同記事は現在も、新華社のウェブサイト「新華網」に掲載されている。

中国インターネット上では、高福氏の矛盾した発言への批判が強まった。中国版ツイッターの微博では、高氏の辞任を求める声が上がっている。

「もし1月の発言が本当のことであれば、5月の発言は嘘でしょう。逆に5月の発言が本当であれば、1月に言ったことは嘘でしょう。どちらにしても、高氏は嘘をついた」

「未知のウイルスを目の前にして、私たちは手違いやミスは理解できる。しかし、嘘をつくことは許されない。国家衛生健康委員会は、微博に投稿して、高福氏を称賛した。嘘ばかりつく主任をなぜ容認するのか?国家衛生健康委員会が高福氏を解任しないことを、非常に不安に思っている」

「専門家として、なぜ無責任な発言をしたのか?なぜ事実を言わないのか?」

「14億人の健康問題をこのような嘘つきに任せてはいけない。高福、辞任しろ」

武漢市で中共肺炎(新型コロナウイルス感染症)の感染が発生した後、中国当局は当初、華南海鮮市場が発生源だと強調した。しかし、国内外の一部の専門家が中共ウイルスを分析した結果、ウイルスは武漢ウイルス研究所の実験室から漏洩した可能性があるとの認識を示した。これを受けて、中国当局は2月下旬以降、発生源について、華南海鮮市場ではなく、米軍の兵士が持ち込んだと主張し始めた。

高福氏は、中国当局の方針に歩調を合わせ、発言を変えたとみられる。

(翻訳編集・張哲)

関連記事
米国防総省の新報告書で、中国共産党当局が新型コロナ流行を公式発表前に把握・隠蔽していた疑いが再浮上。武漢での感染訓練や内部告発者への弾圧など、拡大初期の新証拠が明らかに。
条約案は来月のWHO年次総会で採択される見通しだ。ただ、条約の採択には加盟国の3分の2以上の賛成を必要とし、採択後も、各国が国内法に基づいて条約を批准する必要があるため、実効性は各国の対応に左右される。
アメリカ国防総省は2025年3月、2019年に中国・武漢で開催された国際大会に参加した米軍人の一部が、新型コロナウイルスに類似した症状を示していたとする報告書を公開した。
中国国内の特筆すべき情況として、現在感染症が猛威を振るい、安徽省や上海、瀋陽など多くの地域で病院と葬儀場が混んでいる。亡くなった人の多くは中高年で、若者も含まれている。しかし、こうした情況の中、当局は感染状況を隠蔽し続けている。
米国立アレルギー感染症研究所など自然界で発生したとしていたCOVID-19の発生の起源について今回、CIAが武漢実験室から漏洩した可能性を支持する立場を示した。