【紀元曙光】2020年5月30日

「帝国主義」という歴史用語がある。

▼その是非はともかく、昔(特に19世紀において)は世界の各所に見られた。強国が弱国を支配下におく、あるいは独立させず植民地にして、その人民から搾取する形態である。

▼帝国主義の定義については、小欄では触れない。筆者は、植民地主義と言い換えてよかろうと思っている。その語頭に、英、仏、独、米などの国名をつけて「ナニナニ帝国主義」と左翼は好んで呼んだ。20世紀に入ると、列強の最後尾に日本も参加する。日本の言い分は、筆者も多少は代弁できるが、今は控えておく。

▼英語はインペリアリズムだが、やはり中国人が、漢語の大声でそれを言う場合が多い。しかも、そのまま怒りの表現になる。「日本帝国主義!」は罵語なのだ。日本人が、当時の状況をニュートラルに説明しても、中共治下の反日で洗脳された中国人は、聞く耳をもたない。歴史とは、片方だけの責任で進展するものではないのだが。

▼1925年5月30日。上海の租界で「5・30事件」が起きた。中国語では、惨劇を意味する語をつけて「五卅惨案」と言う。これだけで「被害者は中国人。悪いのは外国人」の印象づけになる。5月中旬の労働者の暴動から、30日、学生と労働者のデモに発展。それに対し、イギリス人警部の命令で、中国人警官およびインド人警官が発砲し13人が射殺された。

▼確かに痛ましい事件だ。しかし、と思う。それにも勝る惨劇を、今、「中共帝国主義」は香港にもたらしている。「歴史を鑑とせよ」とは、よく言ったものだ。その言葉、中南海へお返ししよう。

関連記事
日本でも人気の中華料理・刀削面はもともと山西省の一般家庭の主食でした。太くもちもちの面にパンチの効いたつけ汁を絡めて食べるのも最高ですが、料理人の手慣れた包丁さばきを鑑賞することもこの料理ならではの醍醐味と言えるでしょう。実は刀削面の調理法は歴史と深い関わりがあり、知られざる誕生秘話がそこにはあります。
ほうれん草は栄養満点のスーパーフード。目の健康や心臓病予防、がん対策、さらにはダイエットや肌のアンチエイジングにも効果が期待できます!食卓に取り入れて、健康的な毎日を目指しませんか?
中国には、「一日の始まりに必要な7つのものがあり、それは、薪、米、油、塩、たれ、酢、お茶である」ということわざがあります。お茶は中国の文化の一部としてなくてはならないもので、客人にふるまったり、食後にたしなんだり、その長い歴史の中で育まれてきました。
世界中の美しいカフェ10選を巡る旅へ。歴史と芸術、文化が交錯する特別な空間で、至福の一杯を味わいませんか?
吉祥寺マルイにて、台湾が誇る漢方食材や東洋の叡智を感じられる商品を販売します。さらに、台湾ならではの味を楽しめ […]