英、香港市民の英市民権取得を確約 中英共同声明違反を非難
[ロンドン 1日 ロイター] – 英国のジョンソン首相は1日、中国による香港国家安全維持法の施行は1984年の中英共同声明の「明白で深刻な」違反と非難し、香港市民に対し英国の市民権取得に道を開くと表明した。
中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)常務委員会は6月30日、香港国家安全維持法を可決。同法は反政府的行動の取り締まりに向け、国家分裂、政権転覆、テロ活動、外国勢力との結託の4種類の活動を犯罪行為と定め、最大で終身刑を科すもの。施行から一夜開けた1日は香港で同法に対する抗議活動が行われ、警察は催涙スプレーや放水銃でデモ隊の排除に乗り出した。
ジョンソン首相は議会で「香港国家安全維持法の施行は、(「一国二制度」を保障した)中英共同声明の明白で深刻な違反となる」とし、英国海外市民旅券(BNO)を保有する香港の市民による英市民権取得に道を開くという確約を英政府は順守すると述べた。
香港では約300万人がBNO申請の資格を持っており、2月時点のBNO保有者数は34万9881人だった。
ラーブ外相もロイターとBBCに対し、「中英共同声明の明白で深刻な違反」と非難。西側諸国は中国の習近平国家主席にどのように対応すべきかとの質問に対しては、「中国は明らかに国際社会の主要なメンバーであるため、同国が国際的に負っている義務と責任を果たすことが期待されている。中国に対する信頼は大きく一歩後退した」と述べた。
首相報道官は記者団に対し、英国は中国企業と建設的な関係を維持する表明。ただ「介入が必要な時は介入する」と述べた。
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