夢の結婚式のために28万ドルを集めた10代のガン患者、結婚から数カ月後に死去
末期がんに侵された17歳の少年にとって、唯一の心残りは長年付き合った彼女と結婚していないことだった。彼の感動物語は話題を呼び、若い2人は寄付によって集められた資金で夢のような結婚式を挙げた。その後、結婚式からわずか数カ月後に彼はこの世を去った。
ブレイディ・ハンカーさんは、わずか15歳でユーイング肉腫と呼ばれる珍しいタイプの骨がんだと診断された。彼が直面しようとしていた困難をよそに、彼女のモリー・ランドマンさんは彼の側に居続けた。「ハグをしたり横に座っていてくれたり、彼女はいつも側にいてくれたんだ」とハンカーさんは語った。
病状の回復には数カ月におよぶ化学療法を要した。しかしそれからわずか1年後、ハンカーさんは自身のGoFundMe(ゴーファンドミー)ページに「がんが復讐に戻ってきた」と書き込んだ。
腫瘍は広がっており、2度目の治療も効果がなかった。この結果が若い2人につらい問いを投げかけた。「もっと病状が悪化して死を覚悟しなければならないとき、何を後悔するだろう?」そして彼が考えついたたった1つの答えは、ランドマンさんと結婚していないことだった。
7年生のときに出会って以来、2人はずっと一緒だった。ハンカーさんへの残酷な診断はその絆をさらに強めた。「僕らくらいの年齢でこの状況でも自分の側にいてくれる人は他にだれも思いつきません」と彼は語った。
2019年4月のイースターの週末、彼は当時18歳の彼女にプロポーズをした。そしてハンカーさんは「彼女がいつも夢見ていた結婚式」を実現するためにGoFundMeページを開設した。
この取り組みは大成功し、2人は当初の目標金額15,000ドルの2倍近くを集めた。「こんなに上手くいくなんて思ってもみなかったですし、みなさんの寛大さに本当に驚きました」とランドマンさんは述べた。
ランドマンさんが「本当にすばらしい結婚式の日」と語った2019年7月に2人は結ばれた。彼女はまた、大切な記念日の心温まる動画を投稿した。
ハンカーさんは祭壇の上で、「どんな困難が襲ってこようとも、私たちはお互いの腕の中で真正面から向き合います」と誓った
結婚式から数カ月後の2019年11月25日、ブレイディ・ハンカーさんはこの世を去った。家族は彼のFacebookページ、Brady’s Power Play で彼の死をこのように報告した。「今朝、私たちの大切なすばらしい息子が息を引き取りました。もう痛みはありません。この恐ろしい病気との闘いが終わりを告げたのです」
「Joy(喜び)」と題されたブログの中で、若くして夫を亡くした彼女は信仰の中に見いだした慰めについて語った。それは彼女をあまりにも大きな喪失感から救ってくれた。「夫の死後、数え切れないほどの方々が私がどれほど強いかを教えてくれました。自分1人では本当に弱いのだということを、これまで以上に実感しています。それでも私の中に宿る神の聖なる力が、再び私に強さを与えてくれるのです」