チリ、光海底ケーブル敷設で中国案退ける 日本企業が優位に

チリ政府はこのほど、初となる南米とアジアを結ぶ光海底ケーブルの敷設に関して、中国側の提案を退け、日本が提案したルートを採用した。海底ケーブルの終点は、中国側が提案する上海市ではなく、オーストラリアのシドニー市に予定された。

日経アジアン・レビュー7月29日付などによると、日本政府はチリから、ニュージーランドを経由し、豪州シドニーを結ぶルートを提案した。全長が1万3000キロ。チリ政府はコストなどに基づいて、「最も推奨されるルートだ」との見解を示した。今後、日本通信企業がケーブルや他の設備の受注で優位になるとみられる。

日経アジアン・レビューは、チリ政府の決定は、中国通信業界や、中国当局が後押しする通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)に打撃を与えたとした。ファーウェイは当初、同光海底ケーブル建設の主要候補だったという。

中国側は終点を上海にする案を出した。昨年4月、チリのセバスティアン・ピニェラ大統領が訪中の際、ファーウェイはチリでデータセンターを建設すると表明した。これに対して、米トランプ政権は、チリ政府にファーウェイによる安保上の脅威を警告した。

ファーウェイは近年、海外で海底ケーブル事業の展開にも力を入れてきた。2008年、同社は英国のグローバル・マリン・システムズ(Global Marine Systems)と共同で、香港で合弁会社、華為海洋網絡(Huawei Marine Systems)を設立した。ファーウェイは合弁会社の51%株式を保有する。これ以降10年間で、ファーウェイ・マリン・システムズは90件の海底ケーブル敷設に関わった。

一方、ファーウェイは昨年6月、華為海洋網絡を中国の光通信ネットワーク企業、江蘇亨通光電に売却した。米政府の対ファーウェイの禁輸措置による影響で、ファーウェイは海底ケーブル事業から撤退したとみられる。

(翻訳編集・張哲)

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