米、中国人記者40人のビザ更新許可せず

中国共産党機関紙・環球時報が8月3日、「米国駐在の中国人記者は8月6日の期限を迎える前にビザ更新を許可されていない。6日以降は滞在資格が無効になる」と報じた。40人の記者に影響が出るという。

「環球時報」の胡錫進編集長は「米国から記者全員を退去させざるを得ない最悪の事態に備えている。そうなったら激しく報復するだろう」と述べた。

米政府は5月8日、在米中国人メディア記者のビザの滞在期間を90日に大幅に短縮した。中国人記者は8月6日の期限切れまでに新たな許可を得なければならない。

米国の移民法では、在米中国人記者の出国期限は約90日のため、米国務省が出国を要求しない限り、11月の大統領選挙後まで米国に留まることができる。ただ、この期間中、 報道の仕事に従事してはならない。

中国外務省の汪文斌副報道局長は4日の記者会見で、「中国人記者誰一人、ビザの延長を認められていない」と認めた。

汪氏は「米政府がビザの更新を拒めば、中国側も必要な対応を行う」と述べた。

今年初め、中国当局が米主要3紙の米国人記者を追放し、同時に香港での取材活動も禁じた。

2018年以降、20人を超える中国人記者が米国当局にビザ更新を却下されている。

2018年12月、米国は米国内の中国メディアに「外国代理人」として登録を要求し、在米中国メディア5社を「外国使節団」に指定した。さらに、今年2月、この5社の駐在記者の人数を制限し、60人の中国人記者を追放した。5月には米国での中国人記者の滞在期間を90日に制限し、6月には米国内の中国メディア4社を「外国使節団」に追加指定した。

国務省が運営する公共外交ウェブサイトShareAmerica(シェアアメリカ)は3月、「中国のメディアはジャーナリズムか?それともプロパガンダか?」と題する記事を発表した。

記事は、「中国の国営報道機関は、自分が独立した信頼できるメディアだと世界に思わせたいと考えているが、そうではない。これらの組織の仕事は、共産党のプロパガンダを世界中に広めることであり、記者は中国共産党のために働いている」と指摘した。

この記事はまた、「中国共産党による国有メディアの支配は、習近平総書記が中国人をコントロールし、世界中のメディアに影響を与える方法の一つだ」というポンペオ国務長官の発言を引用した。

「中国政府は昨年、世界中のどの国よりも多くのジャーナリストを投獄した」と記した。

(大紀元日本ウェブ編集部)

関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。