「人権踏みにじる者、日本に入国させないで」地方議員ら、臓器狩り関与の中国医師リストを法務省に提出

中国臓器移植では、法輪功学習者ら無実の囚人が強制的に臓器を摘出されているとの問題が、長らく米議会や欧州議会など国際社会から指摘されている。このほど、日本の有志団体は、国際人権団体がまとめた中国医師の臓器強制摘出問題への加担者リストおよびリスト入りした人物の入国禁止等やマグニツキー法に類する制裁を求める要望書を、法務省出入国管理部に提出した。

「人権を踏みにじる臓器狩りに関係している医師たちが、日本に来た場合は入国をさせないで欲しい。また、臓器移植を希望する方が、臓器源を知らないまま、大きな罪に間接的に加担して欲しくない」

中国臓器移植問題に取り組む丸山治章・逗子市議会議員(SMG地方議員ネットワーク代表世話人)は、8月14日、法務省出入国管理局に、人権団体・法輪功迫害追跡国際調査国際組織WOIPFG)の作成した、臓器強制摘出が疑われる中国医師ら医療関係者のリストおよび要望書を提出した。SMG地方議員ネットワークには、現在までに113人の地方議員が参加している。

米国を拠点とするWOIPFGは10年以上継続して、中国本土31の省と直轄市にある800あまりの臓器移植病院に対し、強制性のある臓器摘出の有無について状況調査を行っている。調査の結果から、WOIPFGは今もなお「オンデマンド(需要に応じた)臓器移植」が可能になっており、無実の囚人からの強制臓器摘出は続いていると報告している。

日本と台湾、韓国の有志組織「中国臓器移植乱用に関するアジア諮問委員会」日本代表の根本敬夫氏も今回、丸山議員に同行した。これらの中国医師リストの提出は同委員会が主導する。12日にも、外務省に対してリストおよび要望書を提出した。根本氏によると、両省は中国臓器移植問題を認知しているという。

人権侵害に加担した人物に対して制裁を科すマグニツキー法は、米国、英国、カナダ、リトアニア、エストニア、ラトビアの6カ国にあるが、日本にはない。

丸山議員は、「どのような医師が、どのような病院で移植手術を行っているのか調査して欲しい」「人類最悪のナチス以上の大量殺戮をやめさせねばならない」と日本当局に調査および法整備を要望している。

中国臓器移植問題を初めて国際的に公にしたカナダ勲章受章の人権弁護士デービッド・マタス氏は、2019年の来日時、国境を越えた同問題を撲滅するため、日本のためのアクション・プランを発表した。そのなかで、「移植乱用に加担した者に対する入国禁止、ビザ発給停止」「マグニツキー法に類する法規の導入」を行うよう提言している。

マタス氏は他にも、日本の臓器移植法は臓器売買や斡旋の適応を国内に限定していることから、臓器乱用に関わる者に対しての国境間の斡旋や仲介にも罰則を適用する法整備や、海外渡航移植者が、日本当局に報告するよう義務付けることなどを助言している。

(文・佐渡道世)

関連記事
湖南省株洲市の湘江で、ウイルスサンプル収集用試験管が大量に発見され、住民たちは感染リスクに怯えています。当局は「未使用で損傷はなく、ウイルスは検出されなかった」と発表しましたが、専門家や市民の間で疑問の声が広がっています。試験管の正体や流出の経緯について調査が進む中、不安は収まりません。病院も研究所を信用できないのは間違いない。中国ではコロナが収束していないというのは、こういうことなのか?
米司法省は最近、IR事業をめぐり日本の政府関係者に賄賂を渡すよう指示して、中国企業のCEOを海外腐敗行為防止法違反の容疑で起訴した。
ニセモノ摘発も命がけ、道徳低下した中国社会。中国福建省の展示会で、偽商品の摘発を目的とするインフルエンサーが暴行を受ける事件が発生しました。「福建鉄鉄」のカメラマンが問題商品を通報したことがきっかけで、出品者らから集団暴行を受けたとされています。この事件は、中国SNSやメディアで大きな注目を集めており、現在、市場管理局と公安当局が調査を進めています。偽商品撲滅の活動が招いた事件の経緯とその背景に迫ります。
19日、中国江蘇省連雲港市にある国有企業「中国化学工程第十四建设有限公司」の正門前で、ある女性が滞納された給料の支払いを求めて会社管理者の足に抱きつき泣き叫ぶ姿が撮影されました。この動画はSNSを通じて拡散され、多くの人々に衝撃を与えています。女性の訴えに耳を貸さない企業の対応と、中国社会で頻発する同様の問題に、ネット上では悲しみと怒りの声が相次いでいます。「惨め過ぎる」労働者の姿。官製メディアが宣伝する「盛世(繁栄)」中国のリアル。経営者が人間なのか? 人間であれば、会社をつぶす決意をして、会社財産を売って、給料を支払うはずだが。
湖北省武漢市で、配達食注文に対するクレームが原因で、配達員がナイフを持って客の家に押し入ろうとする衝撃的な事件が発生した。監視カメラには、ドアを内側から押さえる家主と、外でナイフを振り上げながら脅す配達員の姿が記録されている。この事件をめぐり、SNSでは中国社会のストレスや労働環境への懸念が噴出。「極限状態にある人々の行動は予測不能」といった声も広がっている。 至るところに「火薬庫」の中国、言動を慎まないと、いつどこで殺されるかわからない。