パナソニックとJDI、中国企業を米国で提訴 ディスプレイ技術の特許侵害で
液晶パネル大手のジャパンディスプレイ(JDI)とパナソニックは8月31日、中国深センの天馬微電子を相手取り、同社が液晶ディスプレイ技術に関する特許を侵害しているとして米国地方裁判所に提訴した。
訴訟では、パナソニックとJDIは、両社が共同で保有する9件の特許とJDIが保有する6件の特許が天馬マイクロエレクトロニクスによって侵害されたと主張する。これらはいずれも液晶画質技術に関するもの。
ロイター通信によると、両社が保有するこれらの特許は、米モトローラのスマートフォンや台湾の華碩電脳(ASUS)のタブレット端末の一部に使用されている。
訴訟については、パナソニックとJDIはそれぞれ「係争中のためにコメントを控える」とし、天馬微電子は「詳細を把握していないためにノーコメント」としている。
天馬微電子の株価は9月3日、2.92%急落した。同社は中国最大規模の液晶ディスプレイやモジュールメーカーであり、通信機器大手華為技術のサプライヤーでもあると報じられている。天馬微電子は2011年にNECの液晶部門を買収。中小型液晶パネルの出荷額で世界3位になった。
天馬微電子による技術盗用スキャンダルは、今回が初めてではない。台湾最大のディスプレイメーカーである宸鴻グループ(TPKホールディング)は2018年、同社子会社の元マーケティング幹部が天馬微電子の女性担当に営業秘密を漏らしたとして、台中地方検察に2020年5月、背信などの罪で起訴された。
宸鴻グループは、この人物が流出した営業秘密により、2000万ドル(約21億円)の研究開発費を含む巨額の損失を被ったと推定している。この技術盗用による天馬微電子の製品の累積売上高は2億5000万ドル(約270億円)に達する。
(翻訳編集・佐渡道世)
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