2019年11月8日、ニューヨーク市クイーンズ区で大紀元のインタビューを受けるNY市警警察官のバイマダジ・アングワン被告(大紀元)

NY市警のチベット出身警官、中国スパイ容疑で逮捕

ニューヨーク市警の警察官で、米陸軍予備軍のメンバーでもある男が、中国政府の特別工作員として活動した容疑で逮捕された。

訴状によると、中国のチベット地方に生まれ、米国に帰化した33歳の男性、バイマダジ・アングワン(Baimadajie Angwang)被告は、ニューヨークの中国総領事館に現地のチベット人に関する情報を提供していた。

検察によると、アングワン被告はクイーンズ区で働いており、ロングアイランドのナッソー郡に住んでいた。彼は9月19日に逮捕され、ニューヨーク州東部地区の地方裁判所に出廷し、保釈なしの拘禁を命じられた。アングワン被告の弁護士であるジョン・F・カーマン氏は、本件について大紀元へのコメントを控えた。

アングワン被告は中国当局の任務への従事、通信詐欺、虚偽の陳述、公務執行妨害の容疑で起訴された。全ての罪状で有罪となれば、最高55年の禁固刑を受けることになる。

検察はまた、同被告は中国総領事館の幹部がニューヨーク市警幹部と接触する手助けをしたとも主張した。

訴状によると、被告は米陸軍予備軍の民事専門官でもあり、ニュージャージー州フォートディックスに駐留する二等軍曹である。彼の仕事には、民軍プログラムの計画、訓練、実施が含まれていた。彼は仕事で必要な「シークレット」 レベルのセキュリティ・クリアランスを持っていた。

2018年12月、アングワン被告は彼が「ボス」と呼ぶ匿名の中国総領事館の幹部への電話で、自分が中国政府の「情報提供者」だと伝え、「たとえ最後に彼らに何らかの理由で断られても、少なくとも、ここの警察内部に私がいることを伝えてくれ」と話した。

被告はニューヨークの中国総領事館の職員と定期的に連絡を取っていた。彼は2018年6月~2020年3月までの間に、少なくとも55回にわたり「ボス」に電話やメールで連絡をとっていた。「ボス」は、中国の建国を祝う総領事館の「国慶節」レセプションに彼を招待していた。

2018年10月30日の電話で、「ボス」はニューヨーク市警で昇進したアングワン被告を賞賛し、同被告は「故郷の人々のために」昇進試験を準備していたと返事した。

「多くの人があなたを見ている」と「ボス」は答えた。

2018年11月19日には、被告は「ボス」に、「我が国のソフトパワーを高めるために」近く開かれる予定のニューヨーク市警のイベントの情報を伝えた。被告はこの情報が「ボス」の中国政府内での出世に役立つと示唆した。

被告は「ボス」に、「今後、あなたが北京で何らかの役職に就いた後、私はあなたの招待を待っている」と話した。

米連邦捜査局(FBI)のウィリアム・スウィーニー副長官は声明で、「これは典型的な内部者による脅威だ」と述べた。「訴状の通り、アングワン被告は外国政府のために活動し、虚偽の陳述でクリアランスを取得し、ニューヨーク市警の警察官としての地位を利用して、中国政府による違法な情報提供者の発掘を手助けした」

検察は、アングワン被告が中国政府のために活動していたことを米司法長官に通知しなかったと述べた。外国政府のエージェントは、連邦法の下で司法部に登録する必要がある。

ニューヨーク市警のダーモット・シア警視総監は、市警の情報・内務局は同被告の捜査でFBIの防諜部と協力したと述べた。

「訴状で主張されているように、アングワン被告は、この国で彼がしたすべての宣誓に違反した。一つはアメリカへの宣誓、もう一つはアメリカ陸軍への宣誓、そして三つ目はこの警察局への宣誓だ」とシア警視総監は電子メールの声明で述べた。

アングワン被告は最初、文化交流ビザで米国に入国した後、チベット人として中国で逮捕され拷問を受けたと主張し、米国への亡命を認められた。

(大紀元日本語ウェブ)

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