【紀元曙光】2020年9月28日
蒟蒻(こんにゃく)と大根ばかり頼む客。
▼おでんの具材のなかでも大人気なのが、この二つだろう。よく煮えて、だしの味がしみ込んだところをいただけば、至福の時を味わえる。猛暑の夏がようやく過ぎ、涼しさとともに迎える秋は、鍋物を中心に、格別においしい季節であることが嬉しい。
▼さて、その蒟蒻の話である。もちろんコンニャクイモを原料につくる農産加工食品であることは知っているが、小欄の筆者は、スーパーで売っている形でしか見たことはない。調べてみると、日本での生産量は、なんと群馬県が約93%を占める。群馬に続くのは、量はわずかながら栃木県と茨城県。日本全国のコンニャクが、北関東の独占市場であるとは知らなかった。
▼大紀元の中国語記事に、おもしろい蒟蒻の扱い方があった。群馬県昭和村でコンニャクイモの生産と加工をしている石井邦彦さんは、収穫したイモを倉庫に寝かせておく間、イモに音楽を聴かせているという。「植物にも生命があるんですよ。それで音楽を聴かせて、イモがリラックスできるようにしてやるんです」。
▼コンニャクイモはサトイモ科の植物で、劇物であるシュウ酸カルシウムがつよいため生食はできない。一方、食品としての蒟蒻は、日本のほか中国、韓国、ミャンマーなど東アジアで広く食べられている。おそらく人々は、長い歴史のなかで、なんとか食用に供せるよう工夫をこらしてきたのだろう。
▼農産物に音楽を聴かせて味が良くなるか、筆者には分からない。ただ、植物にも生命があるという考え方は、食事を一層楽しくしてくれるに違いない。
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