中国、国内の米国人を拘束する可能性警告 米訴追に対抗=WSJ

[ワシントン 17日 ロイター] – 中国政府は米政府に対し、米司法省による中国軍と関係がある中国からの研究者の訴追に対応し、中国に在留する米国人を拘束する可能性があると警告した。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が17日に報じた。

同紙が関係者の話として報じたところによると、中国の当局者らはさまざまな外交チャンネルを通じて米側に繰り返し警告のメッセージを発したという。この中で米国は国内の裁判所への中国人研究者の訴追をやめるべきだと訴え、さもなければ中国在留の米国人は中国の法律違反を指摘される可能性があるとした。

米国務省が9月14日に出した中国への渡航勧告は、中国政府は「外国政府との交渉を有利にする材料を得る」ために米市民の恣意的な拘束や出国禁止を行っているとしていた。

ホワイトハウスに報道について聞いたところ、国務省に問い合わせるようにとの回答があった。国務省は電子メールで「中国政府に対しては、最高レベルも含め、米市民や他の国々の市民に対する出国禁止を威圧目的で使用することに関して米側の懸念を強調しており、透明性があり公正な手続きが確認できるまで訴え続ける」とした。

在ワシントンの中国大使館はコメントの求めに応じなかった。

米司法省は7月、連邦捜査局(FBI)が米国の教育機関で研究を行うための査証(ビザ)を申請した際に中国人民解放軍メンバーであることを隠したとして、中国人3人を逮捕したと発表。

また、米国務省は先月、中国人に発給した1000件以上のビザを取り消したと明らかにした。安全保障上のリスクと見なされる中国からの学生や研究者の入国を阻止する大統領布告を適用した。中国政府は人権侵害だとして反発している。

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