プーチン氏、野党指導者の毒殺未遂疑惑を否定 「殺害は不要」

[モスクワ 17日 ロイター] – ロシアのプーチン大統領は17日の記者会見で、野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏を巡る毒殺未遂事件について、ロシアの情報機関が関与したという説は米国による陰謀で、ナワリヌイ氏は標的になるほどの重要人物ではないと述べた。

反プーチン派の中心人物であるナワリヌイ氏は、8月に国内線の旅客機で倒れ、その後ドイツに搬送され治療を受けた。欧州3カ国での検査で神経剤「ノビチョク」が使用されたことが確認されたが、ロシアは関与を否定している。

英調査報道機関「べリングキャット」とロシアメディア「ザ・インサイダー」がCNNなどと共同で行った調査によると、飛行記録や携帯電話の位置情報などから、ナワリヌイ氏を数年にわたって監視してきたロシア連邦保安局(FSB)の暗殺チームが特定されたという。

プーチン氏はこれについて、米国の情報機関からの情報で構成されたものとし、「(ロシアの)指導者を攻撃するためのトリックだ」と一蹴。ナワリヌイ氏が米機関から支援を受けていたと示唆し、ロシア当局が同氏を監視していたのは正しいことだったとも述べた。

一方で、それは同氏に毒を盛る必要があったという意味にはならないとし、「毒を盛るなら、殺害していただろう」と語った。

また、ロシアが開発した新型コロナウイルスワクチン「スプートニクV」については、可能になれば接種を受けると述べた。また、同ワクチンの生産を加速する必要があるとし、一部は海外で生産できるという考えも示した。

さらに、2024年の任期切れに合わせて再び大統領選に出馬するかどうかは、まだ決めていないと語った。

来年2月に期限が切れる米ロ間の新戦略兵器削減条約(新START)については、米側に延長を呼び掛けた。

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