米上下院合同会議で、2016年大統領選の選挙人票を承認する手続きを行うジョー・バイデン副大統領(当時)(Mark Wilson/Getty Images)

米大統領選、1月6日選挙人票を集計へ 複数の共和党議員は異議申し立て

米上下両院は3日、6日に大統領選の選挙人票を承認する方法を定めた規則を採択した。規則は無記録で、発声により可決された。上院多数党総務ミッチ・マコーネル議員が提出した同規則によれば、1月6日、マイク・ペンス副大統領が議長を務める合同会議で選挙人票の集計が行われる。

この規則によれば、ペンス副大統領は上院議長として選挙人票のすべての証明書を開封する。7つの激戦州では、トランプ氏とバイデン氏の両方の選挙人票が連邦議会に送付されており、両方とも開封される予定だ。

大紀元の集計によると、少なくとも50人の下院議員と12人の上院議員の共和党議員が選挙不正を理由に、6日の選挙人票の集計に異議を申し立てることを計画している。

異議が申し立てられると、議員は合同会議を退席し、各院で2時間の討論の後に投票が行われる。下院と上院の両方で過半数を得た場合にのみ、異議が通る。

しかし、下院では民主党が多数党であり、上院ではマコーネル議員を含む共和党指導部が異議計画に反対していることから、過半数に達することは難しいと予想されている。

下院議長のナンシー・ペロシ議員は3日、議員らへの手紙で、異議申し立てがあっても最終的には「バイデン氏が正式に次の大統領に宣言されるだろう」と書いている。

カンザス州選出の3人の下院議員は同日、大統領選では「いくつかの州で選挙詐欺と州法違反の深刻な疑惑がある」と声明を発表し、6日の選挙人票の承認に反対することを表明した。

しかし、トランプ大統領の強力な支持者を含む7人の共和党議員は、異議申し立てには参加しないと述べ、この動きを非難している。

7人は、「問題となっている6つの州のうち、5つの州では共和党が州議会で多数を占めている。彼らは州法に基づいて新しい(正式の)選挙人票を連邦議会に送る権限がある。1月6日までに新たな選挙人票が送られない限り、連邦議会が2020年大統領選挙の結果を変える権限はない」と声明に書いている。

「それ以外の行動、つまり憲法に反して連邦議会が大統領選挙に介入することは、国民と州から権利を奪うことに等しい」と厳しく指摘した。

12月30日、ジョシュ・ホーリー上院議員は選挙人票に反対すると明言した。この動きに続き、11人の上院議員は、議会が選挙不正の疑惑を調査する委員会を任命しない限り、選挙人票に反対するとした。このアイデアは、1877年の大統領選の際に作られた有識者会議をモデルにしている。

共和党員の一部は、ペンス副大統領の議事進行上の役割に注目している。彼らは、副大統領はどの選挙人票を数えるかを決める「独占的な権限」を持つことを裁定するよう裁判所に求めたが、棄却されている。

ペンス氏は裁判所に訴訟の破棄を求めつつも、広報担当者を通じて、選挙に異議を申し立てる取り組みを支持すると話した。

「ペンス副大統領は、大統領選における不正行為について、何百万人ものアメリカ人の懸念を共有している」と、同氏の参謀長、マーク・ショート氏はメディア向けリリースで述べている。

ジョージア州の上院議員らは4日、6日に控えた上下両院での大統領選の選挙人投票の結果承認を遅らせるよう働きかけている。少なくとも十数人の議員が、マイク・ペンス副大統領に宛てた書簡で、この延期を求めている。

同州のブランドン・ビーチ上院議員は大紀元の取材で、現在16~18人が書簡に署名する意向を示しており、「選挙人投票の開票を10~12日後にするよう副大統領に求めている」と語った。

トランプ陣営の上級法律顧問であるジェナ・エリス弁護士も同日、ペンス氏が1月6日の投票結果承認を遅らせ、法廷闘争の続く6つの州の議会に、どちらの候補者の選挙人票が承認されるべきか明確にするよう求めることを提案した。

連邦上院議会のクルーズ議員ら11人の共和党議員は2日、バイデン氏が選ばれた幾つかの州で集計をすぐさま調査する委員会の設置を求めた。

トランプ大統領は、こうしたクルーズ議員らの動きを支持するツイートを投稿した。さらに、6日にワシントンで行われる不正選挙の抗議集会への参加を広く呼び掛けた。集会には少なくとも数万人が集まると予想されている。

(BOWEN XIAO、ZACHARY STIEBER/翻訳編集・佐渡道世)

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