ツイッター社、新疆弾圧政策を否定する中国外務省の投稿は「規則に違反しない」
中国外務省の華春瑩報道官は14日、米ツイッター上に投稿し、中国当局の新疆ウイグル自治区の強制労働政策を否定した上、米政府がデマをでっち上げたと非難した。これに対して、ツイッターのスポークスマンは15日、中国外務省の投稿は同社のポリシーに違反していないと示した。
華春瑩報道官は、「『強制労働』は、中国当局と中国の企業を制限・抑圧し、中国の発展を封じ込めることを目的とした今世紀最大の嘘だ」とツイッターに書き込んだ。
報道官はまた、米政府が「嘘をついた」とし、「その嘘に基づいたひどい行動をとり、市場経済の国際貿易ルールと原則に違反し、(中略)米国を含む世界中の企業や消費者の利益を損なっている」と批判した。
投稿とともに、報道官は新疆ウイグル自治区の工場で、ほほえみながら働いている人々の動画を付け加えた。動画の中で、ウイグル人労働者は「私たちの生活は大きく改善した」と中国当局の政策を称賛した。
動画は、中国当局のウイグル弾圧政策を隠ぺいするプロバガンダであるとみられる。
米AP通信社や英BBCなど海外メディアは調査を通して、中国当局はここ数年、新疆ウイグル自治区の少数民族住民の弾圧を強化したと報道した。当局は、ウイグル人住民など100万人を、強制再教育キャンプに拘禁した。この高度に警備された収容施設で、ウイグル人らは独自の文化や宗教を放棄するよう強要されている。また、ウイグル人女性に対して、中国当局は強制的に避妊手術、妊娠中絶手術を実施した。
中国当局はツイッター上で、国際社会からの非難を否定した。再教育キャンプを「職業訓練学校だ」とし、テロ事件の撲滅を目的にしていると主張してきた。
ツイッターのスポークスマンは1月15日、米フォックスニュースの取材に対して、華春瑩報道官の投稿は同社の規則に違反していないと述べた。
一方、ツイッターが最近、米大統領選挙の不正をめぐる投稿の検閲を強め、トランプ大統領のアカウントを永久凍結した。このため、同社のダブルスタンダードを糾弾する声が上がっている。
ニュート・ギングリッチ(Newt Gingrich)元下院議長は13日、自身のYouTubeチャンネルで、トランプ大統領が議会議事堂の侵入を扇動したとして、ツイッターが大統領のアカウントを永久停止したことは「偽善だ」と示した。
「中国当局はウイグル人に対して、明らかに民族浄化と暴力を行っているのに、ツイッターは中国当局の投稿の禁止・停止・削除を拒否している」
「IT大手が、公共の場で誰が発言できるか、何を話していいのかと決めるようになった時、憲法修正第1条で保障された国民の言論の自由は侵害される恐れがあることを意味する」
中国共産党政権は十数億人の国民にツイッターの利用を禁止している一方で、高官や政府系メディア関係者は、プロバガンダのために自由にツイッターを使っている。
(翻訳編集・張哲)