顔認証技術、米議会乱入の容疑者特定に寄与 議員は禁止求める

[オークランド(米カリフォルニア州) 18日 ロイター] – 顔認識システムは6日にワシントンの米連邦議会議事堂に乱入した人物を特定するのに役立っているが、一部の議員はこの技術の使用を禁止するよう求めている。

米シンクタンク、アトランティック・カウンシルのデジタル・フォレンジック研究所で研究員を務めるマイケル・シェルドン氏は顔認識システムを活用して、議事堂に乱入したとみられる複数の人物の名前を連邦捜査局(FBI)に提供したと明らかにした。

同氏は使用したツールを明らかにしなかったが、顔写真を集めたサイトや大学の同窓生名簿などオンライン上で似た顔を探し、マイクロソフトのクラウドサービス、アジュールの顔認識機能を使って二重チェックしたという。

シェルドン氏は「これは素晴らしいツールだ」と話した。

反人種差別活動家などは顔認識が差別的な取り締まりを永続させ、常に追跡されることが常態化する恐れがあると警告している。

民主党のマーキー上院議員(マサチューセッツ州)は声明で、この技術はリスクに見合うものではないかもしれないと指摘し「過去の危機をきっかけにして無実の国民が問題のある監視の対象にされるのを見てきた」と述べた。

当局に対し「精度とバイアスに重大な問題のあることが分かっている侵略的な手段に頼らずに国民の安全を守り、犯罪者に説明責任を負わせる」よう訴えた。

マーキー氏は昨年、3人の民主党議員と共にFBIなどの連邦当局が顔認識技術を使うことを禁じる法案を提出したが成立には至らなかった。法案を共同提案したジャヤパル下院議員(ワシントン州)の報道官は、議員らが再提案を計画していると明らかにした。

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