新疆ウイグル自治区カシュガルの旧市街、2007年9月撮影(China Photos/Getty Images)

IPAC、新疆における人道犯罪とジェノサイドの調査を国連と各国政府に要求

対中政策に関する列国議会連盟(IPAC)に加わる16カ国からの国会議員は、新疆ウイグル自治区で行われているジェノサイドと人道に対する罪の調査を、国連および各国政府に求める声明を発表した。

この動きは、英BBCが2月3日、ウイグル人、カザフ人、および新疆の刑務所や収容所に収容されている他の少数民族に対する拷問と性的虐待を報じたことを受けている。

声明は、16の国会を代表する30人の議員が署名する。米民主党のボブ・メネンデス上院議員と共和党のマルコ・ルビオ上院議員、ドイツ緑の党のラインハルト・ブティコファー欧州議会議員、日本の元防衛大臣で自民党の中谷元議員、オーストラリア労働党のキンバリー・キッチング上院議員らが含まれる。

BBCは、新疆の収容所で何が起きているのか、衝撃的な証言を報じた。釈放された女性の元収監者たちは、同所では強姦が常態化し、女性器に高圧電流が走る警棒を挿入されるなどの性的拷問が行われている。また、漢民族男性はウイグル族の女性を売買春しているという。

「中国人男性はお金を払って若いウイグルの受刑者から一番可愛い子を選ぶ」「強制的に服を脱がされ、手を拘束され、部屋から連れ出された」報道は証言者の声を伝えた。

BBCによると、信仰を持つウイグルやカザフの女性がこのような性的屈辱を語ることは稀。特に報道カメラの中で語ることは非常に難しいとされる。証言者は、釈放された女性の元収監者たちは精神的な苦痛を紛らわすためにアルコール依存症になるケースもあると語った。

IPACは声明で、新疆における人道犯罪とジェノサイドに関して、国連主導または国際的な法的調査を求めるとした。その間に、各国はジェノサイド条約の下で義務を果たし、集団的な緊急の政治的行動をとることを求める」と述べた。

英国保守党の元党首イアン・ダンカン・スミス議員は次のようにコメントしている。「拷問、強姦、および被拘禁者の強制的断種の報告は、中国共産党がこの地域のウイグル人およびその他の少数民族に対して、最も野蛮で非人道的な迫害を行っていることを示唆する」「国際社会の怠慢は、この抑圧の容認に役立つだけだ」とし、各国政府は虐待問題について中国政府に態度を示さなければならないとした。

トランプ前米政権で国務長官を務めたマイク・ポンペオ氏は1月、中国共産党による新疆ウイグル自治区の迫害は「ジェノサイド(大量虐殺)」だと認定した。

英国上院議会は2月2日、貿易法のジェノサイド修正案を、超党派の支持を得て賛成多数で可決した。下院で同法案が通過すれば、外国で起きているジェノサイドを高等裁判所で審議可能になり、ジェノサイドを犯したと非難される国との二国間貿易協定は無効にできる。スミス議員はIPACの声明の中で、英国政府および議会に対して同法案可決を進めるよう呼びかけた。

ウイグル人活動家でIPAC顧問のリヒマ・マハムート(Rahima Mahmut)氏は、「世界中の政府は、この残酷さを説明するために中国政府に負わせる義務がある。個人や専門家の証言、さらには中国政府の公式文書からの数多くの証拠は無視できない」と述べた。

中国共産党の性的虐待 20年前の法輪功学習者の迫害にも記載

中国当局は1999年、法輪功学習者に対する弾圧政策を始めた。学習者に法輪功を放棄させるため、当局はさまざまな拷問を実施した。今日、明るみにでて世界の対中法案を動かすウイグル人に対する迫害と同じく、法輪功学習者も凄惨な性暴力を受けた。

「中国の良心」と称賛された中国の人権弁護士・高智晟氏は2005年、中国共産党指導者宛ての書簡で次のように書いた。「ほぼすべての法輪功学習者は逮捕されれば、性別を問わず、性器を狙う卑猥な暴行を受けた。拷問の前、身に着けた衣服は全部脱がされる。いかなる言葉でも、この政府の不道徳さと卑猥さを言い表すことができない」高弁護士は2009年、治安部隊に拘束され、以後行方がわからなくなっている。

法輪功情報を伝える明慧ネットは2019年、労働教養所や収監施設における学習者への性的暴行についてまとめた記事を発表した。そこには、女性に対する集団レイプ男性性器への拷問、また電流棒を陰部に挿入される、腹ばいになった女性の上に板を乗せ、複数の男が乗るなどの証言を記録している。

中国の「刑法」第236条は、集団レイプの共犯者に対して10年以上の有期懲役、無期懲役、または死刑を処すると定めている。しかし、他の法律同様、中国共産党政権は恣意的に法律を実施している。

(翻訳編集・佐渡道世)

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