中国美大教授、ミッフィーを剽窃 「キャラクターは公共物」

中国広東省・広州美術学院の馮峰教授の作品が、オランダの作家ディック・ブルーナ氏の「ミッフィー」を盗用しているとして、先月から物議を醸している。同教授は一度は疑惑を否定したが、「ミッフィー」側は6日の声明で、同作品の永久使用停止を発表した。

「ミッフィー」は声明で、「アーティストの馮氏は、自主的にミッフィーの著作権所有者であるMercis bv社に問題の作品を引き渡し、また3月まで予定されていた展覧会も中止された」と同氏による同作品の使用の永久停止を発表した。

今年1月、中国8大美術大学の一角を占める、広東省・広州美術学院の教授である馮峰氏が個展を開いた。展示されたウサギのキャラクターの容貌が、あの世界で最も有名なウサギの1つでもある「ミッフィー」とそっくりだと指摘された。 ミッフィーとは、オランダの作家ディック・ブルーナ(Dick Bruna)氏が、1955年に創作した同国の著名な商標、キャラクターである。

1月16日、「ミッフィー」は声明で、「ミッフィーのすべてはディック・ブルーナ氏によって手描きされている」と馮峰氏の作品が盗作である可能性を指摘した。

馮氏は同日、中国SNSのウェイボー(微博)で、「大衆に親しまれ、社会的に広く認知された商業的シンボルはすべて、公共物であり、研究の対象である」とし、著作権や知的財産権の侵害については「それは法が決めることだ」と弁解した。

同氏はさらにその翌日にも、「誰もが芸術家だ」と投稿した。

馮氏の作品について、「ミッフィー」にアヒルのくちばしをつけただけで、ティーセット、食べ物の数量、服装まで構図が全く同じだとの指摘もある。馮氏はその作品の一つに「私はミッフィーに似ていると言われたこともある」と命名したという。

あるウェイボーユーザーは「言葉を失った。これはあまりにも赤裸々過ぎる」と馮氏の開き直った態度に落胆した様子だった。

中国では芸術作品の剽窃は昔から存在している。 2019年5月にも、中国の四川美術学院教授である葉永青氏が、ベルギーの芸術家クリスチャン・シルバン(Christian Silvain)氏の1990年代の作品を模倣し、アート市場で1億元(十数億円)以上を稼いだ。

葉氏は後に、「このアーティストは私に大きな影響を与えてくれた。この方と連絡を取ろうとしている」と答えた。

湖北美術学院の院長である徐勇民氏の絵画作品も、1930年代の画家である陸志庠氏のスケッチとほぼ同じであることが判明した。これに対し、ネットユーザーは「スケッチして色を塗れば自分の作品になるのか」と非難した。

さらに近年では、西安美術学院の教師によるドイツの大会での受賞作2点が、英国のイラストレーターの作品の盗作とされた。

(大紀元日本ウェブ編集部)

関連記事
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]