2020年10月12日、インド・ムンバイで大規模な停電が発生し、鉄道の運行が一時停止となった(INDRANIL MUKHERJEE/AFP via Getty Images)

印ムンバイ大規模停電、「中国当局のサイバー攻撃が原因」=報道

中印両軍が昨年6月に国境地帯で衝突し両国関係が悪化している中、同年10月、インド金融都市ムンバイで大規模な停電が発生した。米紙ニューヨーク・タイムズは2月28日、停電は中国当局のサイバー攻撃によるものだとする調査報告書を公開した。

昨年10月12日、停電が起きたムンバイでは、鉄道などの交通網や移動通信網が一時的にストップとなった。同市の一部地域では電力回復までに12時間かかった。

ニューヨーク・タイムズ紙によると、報告書は、停電は「インドの電力網を狙った中国の広範囲なサイバー攻撃の一環である」「中国当局はインド側に、『インドが(国境紛争問題で)強く主張すれば、インド全土の電力供給を停止する』というメッセージを送ろうとした」と示した。

報告書はまた、昨年6月の中印両軍の衝突でインド軍兵士20人余りが死亡し、同時に中国当局のマルウェアが高圧送電変電所や火力発電所を含むインド全土の電力供給システムに流れ込んだ。米サイバーセキュリティ対策会社、レコーデッド・フューチャー(Recorded Future)がこのマルウェアを発見したと調査報告書をまとめた。

レコーデッド・フューチャーのスチュアート・ソロモン(Stuart Solomon)最高執行責任者は、中国当局が運営する「レッド・エコー(Red Echo)」というハッキング組織が、「高度なサイバー侵入技術を使って、インドの発電と送電関連インフラ設備の重要なノード10数カ所にひっそりと足場を築いた」と話した。

一方、マハーラーシュトラ州政府高官、アニル・デーシュムク(Anil Deshmukh)氏は1日の記者会見で、州都ムンバイの大規模な停電について、地元警察当局が捜査をさらに進めているとした。これまでの捜査では、ムンバイの電力システムに「14のトロイの木馬」が植え付けられた可能性を示した。

インド紙「ヒンドゥー(The Hindu)」1日付によると、レコーデッド・フューチャーのスポークスマンは、中国側のサイバー上の不正侵入はまだ続いているが、「活動の大半は(上層部の)命令で2月上旬に停止した」と述べた。

また、同スポークスマンは「昨年5月以降の不正侵入は中国当局と関係する。しかし、これは報告書が言及した『レッド・エコー』の活動とは別のものである」とした。

中国外務省は声明で、レコーデッド・フューチャーの調査報告書について「無責任だ」「証拠を提示していない」と反論した。

(翻訳編集・張哲)

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