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<オピニオン>アメリカ人に伝えたい 社会主義から救われるには

私はニュージーランド人だが、アメリカの事をよく知っている。全米各地を飛び回り、大勢のアメリカ人と交流を重ね、次のような警告を発してきた。アメリカは、残酷で暴力的な社会主義革命に向かっている。もしアメリカが陥落したら、全世界の自由社会も陥落する。それが、ここアメリカで進行中ですよ、と。

果たしてこの共和国は救われるのか。正直に言って、私にも分からない。しかし、この偉大な国には少なくとも戦うチャンスは残されていると思っている。ニュージーランド人から見たアメリカの現状を指摘したい。

1.現実を直視すること

大勢のアメリカ人は、いまだに現実を受け入れていない。多くの人は、米軍が秘密裡に指揮を取っているとか、まもなく正義が勝ち、ドナルド・トランプ大統領が復活すると信じている。あるいは「秘密の計画」があるから「信じて待て」と言う人もいる。

しかし、実際はどうなのか。トランプは共産主義者、グローバリスト、共和党内の裏切り者の手によって陥れられた。今は「ディープ・ステート」が、ほぼ全てを掌握している。

トランプの政権復帰は2024年より前には起こらないだろう。もちろん、それまでアメリカが公平な選挙制度を維持していればの話だが。

民主党は2200万人の不法移民に選挙権を与え、選挙人制度を廃止しようとしている。プエルトリコとワシントンDCを州に格上げすることによって極左の上院議員を少なくとも4人増やし、大量の郵便投票やID提示の廃止など、全国的な選挙改革を検討している。これは全て、民主党の永続的な支配を確実にするための取り組みだ。もし民主党が上院のフィリバスター(長時間の演説で審議を妨害すること)を廃止し、少なくとも4人の左翼を最高裁判事に就任させたら、伝統的な政治手段でこれを阻止することはもはやできなくなる。

アメリカ人は今、中国主導のマルクス・レーニン主義革命が目の前で起きている事を理解するべきだ。軍隊もトランプも、アメリカ人を救えない。むしろ愛国者たちこそが冷酷な民主党と共産主義者からトランプと軍隊を守ることができる。大多数のアメリカ人が、この現実を直視して初めて希望を語れるのである。

2.暴力から遠ざかる

暴力ではアメリカを救えない。オバマ大統領は、愛国心の強い将軍を左派の将軍に置き換えるために、8年の歳月を費やした。彼の功績は大きい。もし反乱が起きたら、米軍は反体制派ではなく政府に味方するだろう。

オンラインでも公共の場でも、暴力を扇動する人物には近づかないことだ。彼らは救いようのない世間知らずか、政府の工作員である。

左翼は「右翼」の暴動を待ち望んでいる。愛国心の強いアメリカ人を弾圧する口実を与えるからだ。この国は平和的に救われるか、全く救われないかのどちらかである。もし重大な暴動が起きたら、その時は終わりである。

とは言っても、憲法修正第2条は何としても守らなければならない。国民の武装が許されていれば、少なくとも暴政をある程度抑制することができる。アメリカ人は銃を持ち続け、自国民に対して銃を使う必要がないようにするべきである。

3.赤い州(共和党支持者の多い州)で選挙の透明性を取り戻す

数か月以内に有権者の信頼を回復しなければ、共和党は絶望的だ。民主党の有権者は投票を続けるが、共和党支持者は選挙を信用していないため、投票しなくなる。1月のジョージア州上院選でも、この問題が起きた。

現在、30の州で共和党議員が多数派を占めている。いくつかの州で選挙手続きの調査が行われているが、国民が介入しなければ、これはうわべだけで終わる。電子投票機の廃止や、組織的な選挙不正に対する重い罰則が提言されなければ、何の意味もないだろう。

愛国者たちは、まず赤い州で、次に青い州(民主党支持者の多い州)の赤色の郡で、選挙制度の透明性を回復しなければならない。そして2022年以降、国全体が健全な選挙制度を確保できるよう努力すべきである。これが、愛国者たちが真っ先にやるべき事だ。

4.自由な州が連帯する

連邦政府は、あらゆる形態の独立を奪おうとしている。これに対して、すべての赤い州は連邦政府の越権行為に反対すべきである。つまり、自由な州が連帯して、憲法修正第10条の権利を再確認するのである。これは決して分離独立を意味するものではない。

まずはフロリダ州とテキサス州が正式な同盟を組み、次にオクラホマ州などの米国中部の州、そして南部の大部分や共和党主導の北部と西部の州を招き、規模を拡大していく。このような同盟は国全体を二分し、大きな投票圏と経済圏を形成する。これに連邦政府が挑戦するのは難しくなるだろう。

バイデンは大規模なロックダウンを拒否するフロリダに対し、他州との移動禁止をほのめかしたと報じられている。フロリダだけでは抵抗できないが、テキサスやオクラホマを含む10~25の州が連帯すれば、このような違憲な脅しは効かなくなる。

南部の州は、まもなく大規模な不法移民の波に晒されるが、連邦政府は何もしないだろう。テキサス、フロリダ、アリゾナ、そしてニューメキシコとカリフォルニアの自由な郡は、今すぐ国境を守る必要がある。これは連邦政府の移民問題ではなく、州の公共福祉の問題である。

州政府は憲法修正第10条のもと、連邦政府の越権行為を無効にする権限を持っている。州政府が団結し、ワシントンを憲法上の檻に閉じ込めるのだ。

アメリカは自由で独立した州の連合体である。この共和国は、勇気を持って修正第1条(言論の自由)と修正第10条(州の主権)を適用することによって救われるだろう。

(文・Trevor Loudon/翻訳編集・大紀元日本語ウェブ編集部)


執筆者:トレバー・ルードン

ニュージーランドの著者・映画製作者。極左やマルクス主義者について30年以上研究してきた。最新の本は『WHITE HOUSE REDS: Communists, Socialists & Security Risks Running for US President, 2020』。

※寄稿文は執筆者の見解を示すものです。

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