誰もいない教室(Jazmine Thomas/Shutterstock)

「生徒は『父/母』と言わない方がいい」 ニューヨークの学校が「包括的な言葉」を推奨    

ニューヨーク・マンハッタンにある私立学校、グレース・チャーチ・スクールは、キャンパスをより「歓迎的で包括的な」環境にするために、「」「」「両」などの言葉を使わないよう生徒に呼びかけている。同校には幼稚園から高校まで付属している。

同校は12ページにわたる「包括的な言葉」ガイドを発表し、学生、スタッフ、保護者に対して、他の人と交流する際に「有害な仮定をしない」ことを推奨している。例えば、「母」「父」「両親」よりも、「大人」「みんな」「家族」「保護者」と言う方が良いと考えられている。なぜなら、前者は「典型的な」家族についての仮定を含んでいるからだ。

「家族の形成と構造はさまざまだ」と同ガイドは説明している。「本校では、多様性を反映した包括的な言葉を使用する。子供が誰と一緒に住んでいるのか、誰が子供の世話をしているのか、毎晩同じ場所で寝ているのか、両親に会っているのかなどについて、思い込みをしないことが重要だ」

また、「伝統的な家族」という表現は時代遅れだと付け加えた。「私たちは積極的に『典型的』あるいは『普通』の家族構成の概念を取り除こうとしている。全ての家族はユニークだ」としている。

性別に関して、同ガイドは、教師が生徒を「男子と女子」「淑女と紳士」ではなく、中性的な「人々」「みんな」「友達」「読者」、さらには「数学者」と呼ぶことを推奨している。大人が子供に本を読むときには、「文章から不要な性別を取り除く」ことが奨励されている。たとえば、「このページの少年(または少女)」の代わりに、「子」「人」「キャラクター」などを使う。

同校は米国聖公会系の学校であるが、スタッフと生徒に、「宗教に関する話題」で他の人に関して思い込みをしないように求めている。近年アメリカでは左派の推奨で、宗教的な意味合いのある「メリー・クリスマス」の替わりに、「ハッピー・ホリデー」を使うようになってきた。しかし同ガイドによると、この「ハッピー・ホリデー」でさえ宗教的に十分中立ではないとみなされ、「楽しい休暇を(Have a great break)」に置き換えた方が良いという。

このガイドについて最初に取り上げたのは、ニューヨーク・タイムズ紙の元コラムニスト、バリ・ワイス(Bari Weiss)氏だった。同氏は記事で、アメリカのエリート校における「教育の誤り」について報道し、メディアの注目と批判を浴びた。

ニューヨーク州の下院議員に立候補している共和党員のリズ・ジョイ氏は、ツイッターに「私たちは男、女としてこの世界に来た。母、父、祖母、祖父、叔母、叔父がいるのはいいことだ…この学校は核家族をさらに破壊している」と書いた

学校側は同ガイドを擁護し、実際にはどんな言葉も禁止しておらず、「礼儀正しさ、尊厳、敬意を促進する」ためのものだと述べた。

同校のジョージ・デイビソン校長は校内の声明で、「私たちは初めから学生たちに、思慮深く言葉を使うように教えてきた」と述べた。「私たちの休暇がキリスト教の祝日ではなく、季節によって分けられているのはそのためだ。本校の生徒全員に両親がいるわけではない。だから、その様な仮定する言葉を使わないよう教師に奨励している」

(大紀元日本ウェブ編集部)

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