取材妨害、脅迫、記者証の有効期限の短縮 報道を妨げられる在中外国人記者たち=報告

2021年3月、中国外国人記者クラブ(FCCC)は、2020年に中国共産党が新型コロナウイルス感染症対策を理由とした取材妨害、脅迫、記者証の有効期限の短縮といった手段で外国人記者の取材活動を妨害し、「報道の自由が急激に妨げられた」と批判する報告書を公表した。

海外特派員を対象とした150件の調査回答と局長との対談に基づく年次報告書において、中国外国人記者クラブの労働条件が改善したと回答した記者は3年連続で皆無であったと発表している。

同報告書には、「新型コロナウイルス感染症対策として導入された監視体制を含め、中国政府はあらゆる国家権力を活用して、記者やその中国人同僚だけでなく、外国報道機関が取材対象とした住民に嫌がらせや脅迫を行った」と記されている。

同報告書によると、中国当局は政府の意に沿わない取材活動を拒否するために、公衆衛生上の懸念を利用して記者等に隔離を迫っただけでなく、記者に圧力をかけるために記者証の有効期限を短縮した事例もある。

中国外国人記者クラブが発表では、少なくとも13人の特派員の有効期限が半年以下に短縮されている。中国に拠点を置く外国人記者の記者証の有効期限は通常1年で、これを毎年更新することが要求されている。

同報告書には、外国人記者等は中国の「人質外交」の犠牲にもなっていると記されている。

中国外務省の汪文斌報道官は、同主張を「根拠がない」として一蹴している。汪報道官は日次会見で、「中国は常に法律に従って中国関連のニュースを報道するすべての国の報道機関と記者を歓迎している。ただし、中国の政治思想に対する偏見や報道の自由を逆手に取った虚偽報道には反対する」と述べている。

2020年、米中間で発生した一連の報復行為の一環として、中国共産党は米国報道機関の外国人記者十数人の記者証を剥奪した。米国政府もまた、主要な中国国営報道機関4社の米国支局に勤務する記者数を制限した。

2020年9月には、中華人民共和国国家安全部職員による夜間の自宅訪問を受けたオーストラリア人記者2人が豪領事館と総領事館に避難し、豪公館員の付き添いの下で中国を脱出しなければならないという事態に追い込まれた。

同報告書には、中国共産党による大規模な人権侵害が騒がれている中国北西部の新疆ウイグル自治区の住民を取材した某記者が特に激しい嫌がらせを受けた事例も記されている。

2020年、中国国営放送局の国際番組に所属していたオーストラリア国籍の成蕾キャスター、後にブルームバーグニュース北京支局に勤務していた中国国民の范希思記者が、国家安保を脅かした容疑で中国当局により拘束された。

現在、両者共に拘留されたままである。 一部のロイター通信の記者は中国外国人記者クラブに所属している。

(Indo-Pacific Defense Forum)

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