今も行方不明 高智晟弁護士の支援団体、ツイッターに新アカウント開設「声を上げ続ける」
中国の高智晟(57)人権弁護士が安否不明になってから3年以上が経過した。同氏の支援団体「高智晟弁護士に関心を(高智晟律師関注組)」はこのほど、ツイッターに新たなアカウントを開設し、同氏の安否が確認されるまで声を上げ続けると決意を表明した。
支援団体は14日、新アカウントに初の記事を投稿し、高弁護士の家族の気持ちを慮り、決意を語った。
「15年間続いた迫害。2017年8月以来、(高弁護士の)消息が絶たれ、安否の確認ができていない。この空前の暴政下で、高弁護士の家族は言い表せない苦しみに耐え、血も涙も枯れ果てた。このアカウントは高弁護士の安否が確認されるまで、声を上げ続ける。山が崩れても川が断裂しても、努力を続けさせていただく所存だ」
さらに、高弁護士に関心を寄せる人々に支援の手を差し伸べるよう呼びかけた。
同団体の旧アカウントは、ツイッター社によってフォロワーをすべて削除された。新アカウントも現在、同社によって一時制限の措置を取られた。
中国北西部にある陝西省の農村に生まれた高弁護士は、16歳のとき、貧困のため学業の中断を余儀なくされた。以後、炭鉱労働者、軍人、野菜売りの行商人、セメント工場の労働者など様々な職業を経て、独学で弁護士免許を取得した。
高弁護士は、貧困者からの依頼を業務の三分の一にし、経済困窮者から弁護士費用を受け取らないというルールを自らに課した。
2005年、高弁護士は当時の胡錦濤国家主席宛の公開書簡を発表し、法輪功学習者の合法的な権利が保障されていないと訴え、当局に弾圧を中止するよう求めた。同年、高弁護士の法律事務所は当局から1年間の営業停止処分を受けた。高弁護士自身も尾行され、自由が制限される状態になった。
同年12月13日、大紀元中国語版で共産党組織を実名で脱退すると宣言した。「人生で最も誇り高い日だった」と米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)に語った。
2006年、法輪功学習者を対象にした臓器狩りが内部告発者によって明るみに出た。高弁護士は、この問題に取り組むカナダの人権弁護士デービッド・マタス氏らに対して、中国での現地調査を行うよう要請した。
同年8月、高弁護士は当局によって連れ去られ、12月に「国家政権転覆扇動罪」で懲役3年、執行猶予5年の判決を言い渡された。
2007年9月、高弁護士は米国会への公開書簡を発表した。中国の人権状況の深刻さを訴え、北京五輪のボイコットを求めた。直後、高弁護士は50日間、行方不明となった。その間、電撃、爪楊枝を性器に入れるなどの性的虐待、鼻や目にタバコを押し付けるなどの拷問を受けた。その後、高弁護士は再び安否の確認が取れなくなった。
2010年4月、突如姿を見せた高弁護士は米メディアの取材を受け、失踪した間に度重なる拷問を受けたと述べた。同月20日、高弁護士の所在は分からなくなった。
翌年の2011年12月16日、北京の裁判所は高弁護士に執行猶予中に違反行為があったとして、2006年12月に言い渡された懲役3年の判決を執行すると決めた。高弁護士は新疆の刑務所に収監された。
2014年8月7日、刑期満了を迎え、釈放されたものの、記憶力の衰退、発語困難など健康は大きく損なわれた。その後も当局の監視下で軟禁生活を送っていた。
2016年、高弁護士は監視の目をくぐって書き上げた著書『2017年、中国よ目を覚まして』を香港で出版した。本の中で自身の受けた拷問の実態などを暴露し、共産党体制が近いうちに崩壊するとの認識を示した。
2017年8月、高弁護士は再び当局に連行され、今も行方不明のままだ。
(翻訳編集・李沐恩)