「外国ブランド」を相次ぎボイコット ネットユーザー「中国人はまだ着る服があるのか」

新疆ウイグル自治区の人権問題をめぐり、欧米各国が相次ぎ、中国当局者らに制裁を科した。これを受け、中国で「外国ブランドの不買運動」は広がっている。

スウェーデンのファストファッション大手H&Mに続き、米スポーツ用品大手ナイキや独スポーツ用品大手アディダス、日本のユニクロなどの外国ブランドがボイコットの標的にされている。

これらのブランドが過去に出した「新疆綿を拒否する」声明などが掘り返され、中国官製メディアの「環球時報」や中国共産党の青年組織である共産主義青年団(以下、共青団)が糾弾した。「小粉紅」(ピンクちゃん、若い共産主義者)たちは直ちにボイコット運動を発動した。

中国版ツイッター、微博(ウェイボー)に「ナイキのスニーカーを燃やす」動画や、「H&Mの服を切る」などの動画が投稿された。

四川省成都市の「大悅城」ショッピングモールでは、H&Mの屋外看板が撤去された。

さらに、鄭州市では「H&Mをボイコット」のプラカードを持つ「小粉紅」が、単身でH&Mの店舗前で抗議した。ただ、女性はのちに警察に連行されたという。その動画はツイッター上で議論を呼んだ。

「義和団もことが大きくなれば、制御できないものだ!」との投稿があった。政府が抗議活動の拡大に神経を尖らせていることをほのめかした。義和団運動とは1900年、清朝末期に起きた排外運動。その後、北京を占領し、日本やドイツの外交官を殺害すると、清政府は義和団を支持して欧米や日本に宣戦布告した。8カ国の連合軍が義和団を鎮圧し、中国は半植民地化の状態に陥った。

また、次のコメントを残していたツイッターユーザーもいた。

「もし中国共産党が本気で欧米をボイコットしたいのであれば、高官子弟にグリーンカードを手放させ、欧米の銀行にある預金を引き出させれば良いのではないか」

ある匿名希望の経済学者はボイス・オブ・アメリカのインタビューで、「米中関係の悪化を受け、中国当局は国内に向けて反米の姿勢を示すための運動だ」と語った。

「この手のボイコットは、まるでかんしゃくを起こした子どものようなもので、戦略的なビジョンを欠いている」と厳しく批判し、「長続きしないだろう」と同経済学者は見ている。

皮肉るコメントも相次ぎ書き込まれた。

「四の五の言わずに、ジョーダンのスニーカーを全部燃やせるか?」

「これが続けば、中国人はまだ着る服があるのか」

「パソコンも携帯も全部叩き壊せば? 中のチップはみな欧米からの輸入品だ」

(大紀元日本ウェブ編集部)

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