【医学古今】

ヘルペスにお灸

単純性ヘルペス、俗に言う「熱のはな」はウイルス感染症ですから、抗生物質を使って治療します。しかし、お灸治療でも非常に早く効果を得られます。

 20代の男性は右鼻孔の下にヘルペスができて、局部が腫れ上がり、痛くて、かなり広がりそうな勢いに見えました。発疹の部位と形及び舌と脈の様子から診れば、この方の体質パターンは肺経風熱と水湿鬱毒だと判断できました。そこで、私は風門、肺兪、三焦兪、身柱に各3荘ずつ透熱灸を行いました。お灸が終わると、痛みが多少緩和され、その後発疹の広がりもありませんでした。翌日、もう一回同じお灸を施したら、発疹が次第に枯れて、間もなく良くなりました。

 風門と肺兪は肺経の風熱邪気を取り除き、三焦兪は水湿鬱毒を追い払う効果があり、身柱は古来の経験に基づいての取穴法でした。発疹の部位や体質のパターンが違えば、取穴も違います。常に体質を意識して治療を施すことが、漢方医学の特徴の一つです。

(甄 立学)

関連記事
カビはブレインフォグやアレルギー、喘息の原因にも。身近な場所に潜む健康リスクと、その予防・除去法を専門家が解説。漂白剤の安全な使い方も紹介。
鮭の皮は食べても大丈夫? オメガ3やビタミンDが豊富で栄養価が高い一方、PCBやマイクロプラスチックなどのリスクも。専門家が語る利点と注意点。
春は「肝」の季節。目の疲れ、頭痛、だるさを感じる方に──五行に基づく「春の養肝薬膳セット」で、季節の不調をおいしく整えましょう。
大腸内視鏡検査の後、腸内環境にダメージを受けることがあると報告されています。ガス、膨満感、腸内細菌叢の乱れ…その回復を促す対策とは?
「赤ワインががんを予防する」という通説は誤りかもしれない──米ブラウン大学の大規模調査が、赤白ワインとがんリスクの関係を再検証しました。