【医学古今】
踵の痛みに手首のツボ
踵(かかと)の痛みには腎経と膀胱経のツボを取って治療します。ところが手首内側にある大陵(だいりょう)というツボで非常に良い効果が得られました。
患者さん(60代の女性)は頚腕症候群と左手中指の腱鞘炎で鍼灸治療を受けています。2カ月ほど前に、一度右足の踵の痛みを訴えた時、腎経と膀胱経のツボを取って治療するとすぐ症状が取れました。
しかし、また同じ症状が現れました。前回の経験を踏まえて、同じように腎経と膀胱経のツボを取って治療しても、今回は症状が取れませんでした。
悩みましたが、ある書物の「大陵穴で踵の痛みを治療できる」という文言を思い出しました。そこで両手の大陵穴に刺鍼しました。すると、踵の痛みが完全に消えました。
このような経験的な治療法は理論的に説明しにくいのですが、うまく使えば非常に良い効果が得られます。
鍼灸医療にはこのような経験的な治療法がたくさんあります。先人の経験を多く吸収すればするほど、治療技術も上達すると感じています。
(漢方医師・甄 立学)
関連記事

年齢とともに増える抜け毛や白髪。実は日々の食事で改善の余地があります。髪に必要な7つの栄養素と、中医学が教える髪と内臓の深い関係について解説します。

手足の冷えは、体だけでなく心にも影響を与えます。冷えの原因を4つの視点から改善する方法をご紹介。生活習慣やケアで、健康と活力を取り戻しましょう。

脱水は特に高齢者にとって深刻な問題ですが、正しい水分補給方法を知ることで効果的に予防できます。運動後や汗をかいたときには、シンプルなスポーツドリンクを試すことが役立ちます。

歯周病は全身の健康にも影響を与えることをご存知ですか?ナン博士が教える口腔ケアの重要性と、入れ歯やインプラント治療の選び方を解説。健康な歯を守るためのアドバイスが満載です。

痛風は遺伝が原因であることが大規模な研究で明らかに。食事も重要ですが、生活習慣だけではなく遺伝子の影響も大きいことが分かりました。