尖閣諸島周辺水域に中国船 84日連続

5月7日、海上保安庁の巡視船は、中国海警局の船5隻が沖縄県の尖閣周辺の接続水域で航行していることを確認した。中国船舶が尖閣諸島周辺で確認されたのは84日連続となる。

中国政府は1992年に「中華人民共和国領海および接続水域法」を公布し、尖閣諸島を中国の領土であると一方的に設定した。2008年以降、中国政府の船舶は頻繁に尖閣諸島周辺の水域に侵入し、日本の施政下にある同諸島の領有権を揺さぶる試みとして、挑発的な行為を繰り返している。

尖閣諸島については、中国は具体的な侵攻計画を用意しているとの指摘もある。ワシントンの安全保障研究機関「戦略予算評価センター(CSBA)」は2020年5月19日、同所上級研究員のトシ・ヨシハラ(Toshi Yoshihara)氏が中心となって作成した「ドラゴン対太陽―中国から見た日本のシーパワー」(邦題:中国海軍VS海上自衛隊、ビジネス社)という報告書を発表した。

同報告書は、中国海軍雑誌『現代艦船』に掲載された尖閣諸島侵攻のシナリオを引用した。それによれば、中国は侵攻計画を開始すれば、「開戦から4日も経たないうちに、尖閣諸島は中国軍の手に落ちる」と豪語している。

また、同報告書によると、過去5年間において、中国海軍は艦隊の規模、総トン数、性能など画期的に進化され、日本に対して大幅な優位を獲得し、中国海軍力の急増は日本と米国にとって極めて重大な脅威になったと指摘した。ヨシハラ氏は、日米両国は中国からの挑戦を改めて認識し、海軍力のバランスを取らなければならないと主張した。

防衛省が今年3月に発表した報告書では、中国情勢(東シナ海・太平洋・日本海)について詳しく説明した。それによれば、拡張主義をとる中国共産党政権は中国軍艦の近年の活動海域を南方向に拡大しており、日本の尖閣諸島周辺に頻繁に活動している。

今年2月、中国海警法が実施され、中国海洋局は軍の性格をより一層強めた。神戸大学名誉教授の坂本茂樹氏は、中国の海洋拡張主義を放置すれば、南シナ海や東シナ海は「法の支配から力の支配になる」と懸念を述べた。

日本は日米2プラス2や首脳会談などを通じて、最重要同盟国である米国が尖閣諸島防衛に参加することを重ねて確認している。4月に行われた日米防衛相閣僚会談では、尖閣諸島の有事に備え、自衛隊と米軍による共同演習を実施することで一致したとの報道がある。

世界の主要国もまた、地域の情勢に高い関心を持ち、コミットメントする姿勢を示している。5月初旬のG7外相会合では、共同声明で中国による力を背景にした現状変更の試みが続いていることから、東シナ海・南シナ海の情勢を「深刻に懸念」すると表明した。主催国の英国は、ゲスト参加国にインド太平洋諸国が加わったことから、G7は同地域を重視していることの現れだと声明を出した。

ドイツ、英国、オランダ、カナダ、フランスはいずれも最近、米国とともに南シナ海の係争海域を含むインド太平洋地域に軍艦を派遣するか、そうした共同計画を明らかにしている。

(蘇文悦)

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