米国務長官、安保理会合で中ロを暗に批判 人権重視訴え

[ニューヨーク 7日 ロイター] – ブリンケン米国務長官は7日、多国間主義に関する国連安全保障理事会のオンライン会合で、一部の大国の行動がルールに違反しても罰せられないという誤ったメッセージを送っていると指摘し、ロシアと中国を暗に批判した。

会合は5月の議長国となった中国が招集し、王毅国務委員兼外相が議長を務めた。

ブリンケン氏は、各国が国際的な公約を守り、人権を重視し、主権平等の原則を尊重する必要性を強調。

「国連加盟国、特に安保理の常任理事国がこれらの規則を無視し、国際法違反の責任を追及する取り組みを阻止することは、規則に違反しても罰を受けることはないというメッセージを送る」と述べた。

安保理の常任理事国はロシア、中国、米国、フランス、英国の5カ国。

米国は中国が新疆ウイグル自治区でウイグル族などイスラム教徒の少数民族に対し「ジェノサイド(民族大量虐殺)」を犯したと非難している。

ブリンケン氏はロシアや中国を名指ししなかったが、ロシアのラブロフ外相は、民主主義に関するサミットを開催する米国の計画について「公然とイデオロギーに基づいた新たな特別利益クラブを創設するものだ」とあからさまに批判。国際的な緊張を一段と高め、世界の分断につながるとした。

中国とロシアは共に一方的な制裁に反発しており、王氏はそうした制裁を「違法」と非難した。

3氏は、気候変動と新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)対策では世界的な協調が必要との見解で一致した。

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