米パイプライン停止、一部でガソリン売り切れ 緊急事態宣言も

[ロンドン/ニューヨーク/ワシントン 11日 ロイター] – サイバー攻撃を受けた米パイプライン最大手のコロニアル・パイプラインの操業停止が5日目に入った11日、米東海岸ではフロリダ州からバージニア州にかけてガソリンの売り切れが発生し、価格も上昇した。

一方、エネルギー省のグランホルム長官は、操業が数日中に全面再開する見通しを示し、消費者に買いだめをしないよう呼び掛けた。

ガスバディーによると、ジョージア州アトランタの都市部では30%のスタンドでガソリン供給がストップ。ノースカロライナ州ローリーでも31%で供給が停止した。

一方、米国自動車協会(AAA)によると、無鉛ガソリンの価格は1ガロン当たり平均2.99ドルで、2014年11月以来の高値を付けた。

消費者への負担を軽減するため、ジョージア州は15日までガソリン税を停止し、ノースカロライナ州は緊急事態を宣言した。一方、連邦政府は、燃料トラック運転手の長時間労働を認めるなど、供給側が在庫を補充しやすいよう規制を緩めた。

米環境保護局(EPA)は、改質ガソリンの供給不足を緩和するため、メリーランドやペンシルベニアなど12州とワシントンを対象に、ガソリンの揮発性に関する規制の適用を一時除外すると発表した。

米運輸省も、米国の港間で貨物輸送を行う際に国内で建造された船舶の使用と米国人船員の乗り組みを義務付けた法律について、一時的な適用除外を検討していると明らかにした。

関係筋によると、10日時点でシトゴ・ペトロリアムや仏トタルがルイジアナ州やテキサス州の製油所で生産カットに踏み切った。

また、マラソン・ペトロリアムやバレロ・エナジー、フィリップス66といった石油精製各社はガソリンの確保に向け、少なくとも5隻のタンカーを手配したことが11日、関係者らの話などで分かった。

コロニアルは10日、今週末までに営業運転を「実質的」に再開できる見込みと表明した。

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