米英独、中国のウイグル問題を改めて批判 「ジェノサイドやめよ」

[ニューヨーク/ワシントン 12日 ロイター] – 米英独の3カ国は12日、国連のオンラインイベントで、中国による新疆ウイグル自治区のイスラム教徒への対応を改めて批判した。

米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド国連大使は、「中国政府が新疆でウイグル人などに対するジェノサイド(民族大量虐殺)と人道に対する犯罪をやめるまで、われわれは立ち上がって声を上げ続ける」と表明。「同地区では人々が拷問を受け、女性は不妊手術を強要されている」と訴えた。

英国のバーバラ・ウッドワード国連大使は、新疆ウイグル自治区の状況を「現代における最悪の人権危機の一つ」と表現し、「特定の民族に抑圧プログラムを行っている証拠がある」と語った。

イベントには約50カ国が参加。イベントに先立ち、中国は各国に参加しないよう要請していた。

中国側の代表はイベントの中で「新疆については何も隠すことはないし、新疆は常に開かれている。われわれは誰もが新疆を訪れることを歓迎するが、嘘と推定に基づくあらゆる調査には反対する」と述べた。

こうした中、米国務省は世界の信教の自由に関する報告書を発表し、新疆ウイグル自治区が事実上の「野外刑務所」と化しているとして、中国の宗教弾圧を非難した。

国際自由局の高官を務めるダニエル・ナデル氏は「ウイグル人と生活をともにするよう指示を受けた人物らが監視しており、人々の動きが綿密に追跡されている」と指摘。イスラム教徒への弾圧は、中国における数十年にわたる宗教弾圧の集大成であるとも付け加えた。

報告書では、中国国内で非合法となっている気功集団「法輪功」に対する弾圧にも言及。ブリンケン国務長官は、法輪功メンバーの拘束に関与したとして、中国政府の幹部や家族に対するビザ発給を制限すると表明した。

関連記事
最近、バルト海にある二本の重要な海底ケーブルが損壊し、ドイツ、スウェーデン、フィンランド、リトアニアの四か国が […]
米国議会は中国の最恵国待遇の取り消しを提案。AI技術競争において優位を目指す「AIマンハッタン計画」も始動。中国経済への影響が注目される
トランプ次期大統領は緊急事態宣言を準備し、不法移民の強制送還計画を発表した。計画では特に中国籍の兵役年齢の男性を優先している
米司法省は最近、IR事業をめぐり日本の政府関係者に賄賂を渡すよう指示して、中国企業のCEOを海外腐敗行為防止法違反の容疑で起訴した。
豪州初の女性宇宙飛行士ベネル=ペッグ氏は、シドニーの会議で「宇宙には地球上の砂浜の砂粒に例えるほどの恒星があり、生命の存在は確実だ」と語り、太陽系内外での地球外生命探査の可能性に期待を寄せた。「宇宙での発見は生命の理解を深める貴重な手がかりになる」と強調。