イラン、ビットコイン採掘で資金獲得 制裁の影響緩和=調査

[ロンドン 21日 ロイター] – ブロックチェーン分析会社エリプティックは、暗号資産(仮想通貨)ビットコインのマイニング(採掘)の約4.5%がイランで行われているという調査結果を明らかにした。イランは稼いだ暗号資産で輸入品を購入し、経済制裁の影響を緩和しているという。

エリプティックによると、現在の採掘活動の水準で試算した場合、イランが生成するビットコインは1年間で10億ドル近くに上る。

米国はイランにほぼ全面的な経済制裁を科している。

エリプティックは、正確な数字の特定は「非常に困難」としているものの、ケンブリッジ・センター・フォー・オルタナティブ・ファイナンスがビットコイン採掘業者から収集した2020年4月までのデータや、最大600メガワットの電力が採掘業者によって消費されているとしたイラン国営電力会社の1月の発表などを基に試算した。

ビットコインなど暗号資産は、マイニングと呼ばれるコンピューターを使った計算作業によって生成される。大量の電力を必要とし、化石燃料で発電された電力に依存することが多いが、イランは化石燃料を豊富に持つ。

イラン中央銀行は海外で採掘されたビットコインなど暗号資産の取引を禁止している。ただ地元メディアによると、闇市場では広く取引されている。

イランは近年、暗号資産のマイニングを産業として正式に認め、安価な電力を提供している。業者は採掘したビットコインを中銀に売却する必要がある。安価な電力に引き寄せられ、特に中国などから採掘業者がイランに活動を移した。イラン政府は、輸入が認められた商品の購入に国内で採掘された暗号資産を使うことを許可している。

エリプティックの調査では「制裁の打撃で現金が不足する一方で石油・天然ガスは豊富にある経済にとって、ビットコイン採掘が魅力的な機会であることをイランは認識している」と指摘。

「イランは事実上、自国のエネルギーを国際市場で売却し、ビットコイン採掘活動を利用して制裁を迂回している」との見方を示した。

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