寿命も計算 中国古代算術の真の内涵

私たちは、今日の学問に数学があることは知っていますし、算術と呼ばれることもありますが、古代の算術と内涵が異なります。古代の算術には、祖沖之(中国南北朝時代の南朝の天文学者・​数学者・発明家)のような円周率の計算だけでなく、術類のものも含まれていました。術類のものはとても復雑で、中には法術の内涵があって、生死まで計算できたようです。その中には占いも含まれていました。

真玄兎は算術に精通し、漢の成帝時期の人でした。ある時、真玄兎は自分が73歳まで生きて、綏和元年1月25日の申(さる)の刻に死ぬと計算して、家の壁にその日付を記録しました。 綏河元年1月24日の申の刻になると、彼は予想した日より一日早く死にました。 死ぬ前に、妻は「あなたが自分の死の日時を計算していたとき、加減していたのを見たわ。その時は、死を免れるためにわざとやったのかと思いました。 だから教えてあげませんでした。 今、あなたの死期は一日早いんですね」と言っていました。 真玄兎は妻に、「北邙山には墓がある。 墓の傍らには楸の木が生えている。 楸の木の西側、4丈離れたところで、7尺の深さまで掘って、私が死んだらそこに埋葬してください。」と言っていました。真玄兎が死んだとき、家族は彼が示した方向と位置を掘って、7尺の深さに達したとき、古代の空の槨墓を見つけ、彼をその中に埋葬したのです。

彼の妻も算術を知っていたので、算術は学ぶことができることがわかります。ただ、普通は勝手に教えたりはしないのです。

(翻訳 源 正悟)

関連記事
「フクロウとキリギリス」の物語で学ぶ、甘い言葉やお世辞が真の賞賛とは言えないという教訓。イソップ寓話の魅力とともに、道徳的な価値を感じてみましょう。
清明の季節は「肝」の働きが高まり不調も出やすくなります。今が旬の菜の花は、肝の熱を冷まし気の巡りを整える優れた食材。簡単に取り入れられる養生レシピとともに、春の五行養生をご紹介します。
年齢とともに増える抜け毛や白髪。実は日々の食事で改善の余地があります。髪に必要な7つの栄養素と、中医学が教える髪と内臓の深い関係について解説します。
長年うつ病に苦しんだ女性が、薬ではなく「精神修養」によって回復。絶望の中で見つけた“希望”が、人生を根底から変えた──その実例と、科学的裏付けとは。
中医学では、緑内障の原因を「怒りや憂うつ」「代謝機能の低下」「夜更かしによる精の消耗」など全身の気血の乱れとして捉え、漢方や鍼、体操で改善を図ります。